嫌な舅であっても...石門星の処世術

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夏の青空が広がると、思い出すのが母方の祖父の家で長い夏休みを過ごしたこと。毎年毎年季節ごとに母に連れられ、わたしたちはその村で昔おやしきと言われたとてつもなくワンマンな爺さんの家へいくのです。
その古い日本家屋は村で1番高い丘の見晴らしの良いところにありました。
そして、眼下に広がる田園から吹いてくる涼風に吹かれながら、ゆっくり動く雲を見上げ縁側で昼寝をするのが自分の夏休みの過ごし方でした。

 算命学では石門星が目上(権力)に対して生意気な面をもつという意味があるので、夏休みの記憶から自分の父はどうだったのかを思い出したので書こうと思います。

この館の持ち主である母方のワンマンな爺さんはまさに「俺様系爺さん」で、この爺さんに逆らえるものはいないに等しく、当時珍しかった大学進学をした為、(へ)理屈も達者でした。

普通の男だったら、このむちゃくちゃ横暴な爺さんと対立して、袂をわかちます。しかし自分の父は正面から戦わず、それなりに自分を守りながらうまくやっていたような気がするんですよね。よくやれたなぁと振り返っては思います。

爺さんは引退後、大きな屋敷でいつもひとり暇な上、どこかに車騎星を持っていたのか、(男性ホルモン高過ぎて)常に競争して誰かに勝ちたい欲求を満たそうとせっかく有給で帰省した義理の息子を囲碁に誘うんですよ。

 私も小学生の頃、五目並べが得意だったので、このおじいちゃんとよく対戦やったんですが、このおじいちゃんに勝ってしまうとそりゃあ、やばかったんです。絶対に対戦が終わらない。自分が勝つまでゲームを続ける。
そして爺さんは小学校低学年の孫相手ですら、勝利に酔いしれる。w

で、納得のいかない私は、ある日、父に聞いてみたんです。
「おじいちゃんさぁ、絶対ひとを褒めないよねぇ。孫が勝ったら普通、頭とかをなでて、よくやったとか喜んで褒めてくれるもんじゃないの?」

そしたら、父はニヤッと笑いこう言いました。
「いや、お前な、ああいう人に勝ったら、むしろ大変なんだぞ。負けるが勝ちっていう言葉がある。実はなぁ、お父さんもお母さんの実家にいくと何時間も囲碁の相手させられてるじゃないか。正直な、あれほとんどの対戦、お父さんが勝てるんだよな。だって、あれだけ何年も対戦させられてたら、相手の癖とか手の内とか全部見えてくるじゃないか。流石に俺だってバカじゃないよ。フフフ。」

熱中しているように見えていたので、私はびっくりして
「ええっ!あんなに真剣にやってるように見えて、じつはおつきあいだったの?!」と聞くと、父は再び笑って言いました。

「当たり前じゃないか。男っていうのは、常に勝ちたい生き物、優越したい生き物だからな。ああいうタイプの人間はそういう本能が強いんだ。対局してる時にお父さんが考えているのは、このゲームのどこでおじいちゃんにとっての難しい局面をつくってあげて、こころの盛り上がりをつくってやるかというところで考え込んでいるだけなの。ドラマがないとおじいちゃん、面白くないじゃないか。だから、ある程度のところで盛り上げて、最後は俺が負けてやるんだよ。w」

「あの爺さんに、そこまで...メークドラマねぇ...」
思ってもみなかった回答に、正直何年も囲碁にお付き合いし続けるその忍耐がすごいや、と思いました。

「で、おじいちゃん、気分が良くなるじゃないか。まだまだ俺は若い奴に負けてないって思えば、気持ちも晴れやかじゃないか。それで全体が平和になればいいんじゃないか?(笑)おじいちゃん相手に勝つ目先の優越よりも、俺は家族全体が平和になる方を選ぶからな。それがお父さんにとっての総合戦での勝ちなんだから。ハハハ。お母さんもおじいちゃんが機嫌よければ機嫌がいいしな。まぁ、でもさ、俺だって実力ないとそんなことはできないから、囲碁の勝ち方の勉強は他でちゃんとしてるんだよ。もっと強いやつと戦えるようにはしてる。」

父はたしかに食えない男で、何もやってないようでいて、影で絶対に実力を磨く努力はしてるんですよね。普段ゴルフなんかやってないのに、ゴルフコンペの前には備えて怠らず、ちゃっかり優勝して帰ってきたりする。男のプライドがあり負けたくないっていう気持ちはおんなじなんだろうけど、守備本能の強い男と攻撃本能の強い男とでは、勝ち方のアプローチが違うのかもしれない。

「しかもなぁ、実はおじいちゃん勝ちにこだわって、たまにズルするんだよなぁ。ボケたふりして、俺の順番とばすの。あの、今の私の番ですよね?って聞いたら、いや、俺の番だ!って言い張るんだよな。何回も飛ばされたら、さすがに誰だって勝てないよな。で、最後数える時に手持ちからふやしてるのをみたこともあってさ。正直いって、もうむちゃくちゃな対戦だよ。w お母さんには言えないけどな。」

私は小学生だったのですが、確かにそういう傾向があることを自分の対戦で感じていたので、父の本音を知り「よくやれるなぁ」と爺さんのズルの実情を聞いてさらにびっくりしたのでした。

そう、父は寅卯天中殺だったんですが、寅卯天中殺の男は目上に対して愛があるんですよ。(女性もそうかもしれない。)前に、ミシュランで高い星をとって有名になった寿司屋さんのドキュメンタリー映画をピカチュウと見に行ったことがあるんだけど、その寿司屋さんの1代目さんが子丑天中殺で、二代目さんが寅卯天中殺の息子さんだったんです。

その寿司屋、超高級で15分で食べ終わって席を離れるのに、最低価格ラインが3万円からっていうお品書きなんです。
この1代目さんは高齢だったんですが、せっかく来たお客さんに俺がださなきゃ意味がないだろ、俺を見にきてんだからって、いつまで〜も現場に立ってる。1代目さんというのは、下積みから自分の店を持つまでの職人としてのこだわりが凄まじく、それでも映画の主人公になって花を飾るまではずっと日陰にいた人だった。

ところが、フードライターさんによると、ミシュランの審査員が来た時に、実は寿司を提供したのはこの2代目さんだったというオチがあって。
 評価されたのはほんとはあなたの技術(うで)ですよね?...ってニュアンスでインタビューすると「2代目として親父の後を継ぐということだけで相当なプレッシャーがあります。だからこそ、親父がどれだけここまでくるのに苦労したのかよくわかるんですよね。元気に現場で活躍して欲しいです。」って、自分がとった手柄なのに、自分の親が世界的に評価されたことを微笑ましく眺める、引きの美学の姿があったんですよね。

家族運が強いと言われる寅卯天中殺って、実際大きくなると自分の親さえも愛で包んでしまう家族愛の大きさがあるんだなぁ〜と思ったの。
親の七光りじゃないんですよ。本物の寅卯天中殺って親を超える大きな愛があるの。だからもめずに2代目を継げるんですよね。

支流の戌亥天冲殺や辰巳天冲殺だったら「俺の新しい(辰巳天中殺なら、合理的な)やり方」をやってみたい人たちなので、それまでのやりかたを先代のプライドを傷つけずに継承するということはとてもできない。だから、ぶつかって出ますよね。親だとしても、手柄を譲るようなことはしません。
でも寅卯天中殺の人たちが家を継ぐ時は、1代目の器すら自分の懐の中に入れてしまう人間の大きさがある。だからそれができるんだなぁと感心してしまったエピソードでした。
寅卯天中殺さんというのは、本当に家族愛が大きいんですよ。

私のワンマンな爺さんは、父の器の中で遊んでもらっていたせいか、いつも父を(自分のやりかたで)可愛がっていたようなのですが、そんな父もだからと言って爺さんのやり方に文句がなかったわけではなく、時々反抗的な態度を見せていたことがありました。その反抗の仕方が、まぁ、石門星っぽかったのでそれも書いておきましょう。w

おじいちゃんが箱根に一度行って見たいというので、母がコーディネートしたことがあり、私たちも一緒に行くことに。
 するとロープウェイから下を眺めていたおじいちゃんが、
「俺はなぁ、どんな時でも高いところが大好きなんだ。」ってご満悦。

意識が常にトップに行きたいので、全体を俯瞰できるような高いところが好きだったのでしょう。

そしたら、お父さんが
「えっ、ヤギとなんとかは高いところが好きだって言うよなぁ....」
って呟いているのを、確かにわたしは聞きました。
「知ってる、知ってる。それって...」と言いかけた私の口を慌ててふさぐほかのきょうだい。
おじいちゃんの耳が遠かったからよかったものの、従順そうに見えてそういう反抗心をたまに見せていたのが、今思うと石門星らしいなぁと思ったのでした。

 仲が良いのか悪いのかという視点でしか見なかった子供の頃はわかりませんでしたが、大人になって見直すと「共生」を図っていたんだと思います。
 つまり、無駄にもめたくないので調整を図ってるだけで、決してそいつに従ってるわけではない、っていうのがワンマン舅(親)に対する石門星息子の、あるあるスタンスですね。w

 だから石門星さんをパワーで圧倒しようとしてはいけません。石門星さんは清濁でいえば、濁の環境(荒れた環境)で能力を発揮する星ですので、圧倒すればするほど絶対負けないです。
 むしろうまくやりたいのならば、石門星さんがこの人を応援することで理あり、と思えるような話し合いや目上・夫であるように振る舞った方が良いですね。

それとね。口下手でもいいです。でも、
 「いろんな想いや価値観の違いはあるだろうけど、それでも協力してくれて、いつも力強く自分の伴走をしてくれて、ありがとう。」って、自分の周りの石門星さんには感謝を伝えてあげてください。

石門星さんも喧嘩したらそりゃあ頑固ですけど、きっとこの言葉に悪い気はしないはずです。他の星の人なら思いもよらないような範囲まで繊細にカバーして気を使っているのが石門星さんですので、その苦労をちょっとでも周りの人に理解してもらえたら、ホッとすると思います。























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