べらぼう第42回のタイトルは「招かれざる客」。この回では、様々な人にとっての「招かれざる客」がやってきました。
■松平定信にとっては
「オロシャの船」(定信にとっては脅威だった)
■蔦重にとっては
「西村屋」(歌麿が蔦重から離れるきっかけを作った)
「占い師の友人」(婦人相学十躰にイチャモンを付けられた)
■歌麿にとっては
「おていさんに宿った命(赤ちゃん)」
といったところでしょうか。一橋がお忍びで(すごく嬉しそうに)看板娘を見にきたのも蔦重達にとっては招かざる客だったのでしょう。
おかげで美人が淹れたお茶を異様に高くするのは、けしからん!風紀を乱す!美人画に名を入れるな!となってしまったので・・
・・・このように、いろいろなところで不協和音が聞こえてくる回でしたが、一番イケてなかったのは、何といっても蔦重です。
歌麿を金づるとしか思っていない蔦重
蔦重は、お金欲しさに歌麿を金づるのように扱うようになりました。
まず、大ヒットした看板娘の噂を聞きつけ「家の娘も書いてくだせ~」と来た客の希望をどんどん引き受けてしまいます。描くのは歌麿なのに!
「こんなの1月で描けるわけないだろう!」と怒る歌麿に蔦重は「弟子に描かせチャチャっと修正して歌麿の名を入れればいいじゃん」とアドバイス。
次に蔦重は吉原への借金を帳消しにするため、勝手に遊女絵50枚を引き受けました。描くのは歌麿なのに!
「借金の方に俺を売ったの?」と訝る歌麿に「売ってない。金は払うからいいだろ?」「お前にとっても名が売れ続けるし、いい話だろ?」と醜い言い訳をしながら迫ります。
挙句の果てには「ガキが生まれるんだ。頼む」と。蔦重に恋心を抱いていたとはいえ、歌麿だって新しい命の誕生を祝福したかったに違いありません。
でも、
「生まれてくる俺の子供のために、お前も手伝え!」と言わんばかりの無茶ぶりに
「これからも自分の意志は尊重されず舎弟のように扱われるのか・・」と思ったのも無理はありません。
西村屋からの「いつまでも蔦屋の囲いの絵師でいいんですか?」という言葉が頭の隅に残っていた歌麿は、そんな蔦重と決別することに決めたのでした。
それでも歌麿は手を抜かずに遊女絵を描き上げた
今年の4月から6月に東京博物館で開催された特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」では、遊女の1日を描いた「青楼十二時」も展示されていました。
この絵が果たして今回のドラマの話の流れで描かれたものなのかは分かりませんが、どの絵も素晴らしかったと記憶しています。
歌麿は植物でも虫でも女性でも、心の目を凝らして丹念に描き上げる人だったのでしょうね。
それに対して、絵師へのリスペクトが微塵にも感じられない蔦重は全くイケていません。自分の間違いに早く気づいて!つったじゅうさ~ん(京伝風に)