旅の効能 ~時間の使い方を考える~

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コラム
 カバー写真、不思議な印象を受けると思います。ここは愛知県一宮市のとある喫茶店の天井の写真です。愛知県一宮市は「モーニング発祥の地」とされています。「モーニング」とはコーヒーなどドリンク1杯の値段で、様々な食べ物の「おまけ」がついてくる、という嬉しいサービスのことです。この一宮市では各店、様々な工夫を凝らし、特色を打ち出し、競い合って「モーニング」の文化を根付かせています。以前から喫茶店という業態に興味があり、知人からも勧められたので、瀬戸市に伺うついでに足をのばすことにしました。

 初めて伺ったこのお店も、ワンドリンクの料金でプレートに盛られた軽食が付いてきます。またセット料金を支払うとそれ以外の料理も選ぶことが出来、満足のいく内容となっています。

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 私もセットを選び、頂いてみました。オムレツは自家製です。飲食業に携わっている者として、自分でオムレツを焼く手間は知っているので、ただただ感心します。しかも短時間で提供されているのでなおさらです。

 店内は高い天井もあり、かなり広い印象です。少し明るさを落とした照明、低いテーブルとソファー、木目調の落ち着いた色合いの店内には、午前中早い時間帯にも関わらず、お客さんもかなり多くいらっしゃいました。そのお客さんをテキパキと裁き、ドリンクや料理を提供するお店のスタッフの方の無駄のない動きを見ていると、昼時のにぎわっているレストランにいるような感覚になってしまいました。関東圏に住む私にとって、これは初めての経験でした。

 お客さんも様々で、1人で新聞を読んでいる方もいれば、家族連れ、夫婦、女性二人連れ、商談をしているようなスーツ姿の男性二人など。また年齢層も幅広くいらっしゃいました。それぞれ楽しみ方、利用目的は違うと思いますが、一様にくつろいだ雰囲気で、この喫茶店にいる時間を楽しんでいるように見受けられました。

 この様子を見ているとモーニングという「文化」が、サービスの形態、内容を表すだけでなく、「時間を上手に、有効に使うこと」も意味しているのではないかと感じました。この喫茶店に伺ったのは日曜の午前中でした。何気なく過ごしていれば、あっという間に過ぎてしまいそうな時間を、いつもとは違う環境に自分を連れ出し、発想や気分を転換させる。良い時間の使い方だと思います。それを気負うことなく、いつも通りの習慣としてその時間を過ごす。その文化が馴染んでいるように思いました。

 時間は誰にも平等に与えられます。ただその使い方は個人個人にゆだねられます。何気なくやり過ごすことも出来ますが、出来れば有効に使いたいものです。時間は限りのあるものです。効率ばかりに目を向けるのも考えものですが、出来る限り自分の思う通りに使いたいものです。私も日々の仕事や生活に追われ、せわしなく過ごしています。「時間に追われる」といった毎日を過ごしています。それを少しの工夫で時間を自分の意のままにあやつる、そんな風に「時間」と接することが出来たら、と思います。

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 上の2枚は次に伺った喫茶店で。こちらはモーニングは終日実施。パスタはランチメニューでしたが、とても美味しく頂きました。またお店の目の前を名鉄が走り、その様子を店内からも見ることが出来ます(私は乗り物も結構好きなので)。さらに店頭には占いののぼりも掲げられており、実際に鑑定もされているようです(連絡先が掲載された看板もありました)。サービス業に携わっている者としても、見習うべき点の多いお店でした。

 そんなサービス満載のお店でも、車で来店される普段着の年配のご夫婦や、趣味の集まりの方々が普段から利用されている雰囲気が伝わってきました。時間を素敵に使われているのが感じられて、うらやましくもありました。
 地元に足を運び、その土地の習慣、空気感を感じる。その結果、今回も得難い経験をし、考え方にも良い影響が与えられたと思います。旅をする意味はそこにもあると思いました。

 今回、紹介させて頂いた喫茶店。記載順に
・CHERBON(シェルボン)様
・ROSETTA(ロゼッタ)様

 いずれも愛知県一宮市。



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