前回の
オリジナルプリントの商材等の販売を始める方へ
で記載した 注意するべき点
大前提として
制作時に使用する機材と資材の組み合わせによって、使用できる2Dデザインの形状と表現には制限があることを理解しているデザイナーが必要です
※紙への印刷や、web画面に表示するための2Dイメージは実制作においてはほぼ使用できません
正しくは
2D画像で作れる物は限られてしまい制作コストも下げようがなくなるので、アイテムのふり幅が無く
同じようなアイテムしか作れなくなり売価も無意味に高いブランドになってしまうため すぐに頭打ちになってしまいます
2Dのイラストやグラフィックなどの絵や画像を作れる事と
2Dデザイン(設計図案)を引けることはイコールではありません
※関連ブログ デザインを実物にするということ
オリジナルウェアやプリントウェアを販売物として展開する場合
もっとも大事なのは需要数と売価をしっかり見て適正価格で販売が出来るかが重要です。
粗利が取りたいからと言って根拠のない高値を付けることは絶対にオススメしません。
かといって安さ勝負の販売を開始してしまうと間違いなく1シーズンで運営が出来なくなります
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①大量オーダーすれば単価が安くなるからと言って必要以上に発注をかけない
例えば、
●売価は11000円 見込み販売個数が300着前後
上記のような内容でパーカーの発注をかけようとした場合に下記のような見積もりが出たとします。
A・200着発注 コスト:980,000円 粗利1,220,000円
B・300着発注 コスト:1,350,000円 粗利1,950,000円
C・500着発注 コスト:1,750,000円 粗利3,750,000円
【枚数が増えればコストが下がり粗利は爆増します】
ですが、根拠の無い数字や 仮の粗利に惑わされず
見込み販売個数よりも若干少ない程度の発注に留めるべきです。
販売は一回限りではありません。
アイテムAというメインアイテムと アイテムBというサブアイテム
その他、「ついで買い」や予算の低い人でも買えるようなアイテムCを並べて
トータルで利益を取っていくのが何より大事です。
一番ダメなパターン
1個のアイテムに固執して在庫を多く積みすぎて大量の売れ残りを作ってしまうケースです。
運が良ければ売れるかも、売れたら儲かる、、ではなく
想定の期間内での販売数を優先すべきです。
売れ残ってしまった場合には無理にその商材が売り切れるまでネバるのではなく、見切りをつけてセールに回すという事もしなくてはなりません。
これは、300、500等のロットの話では無く10枚20枚の極小ロットでも同じです。
買えない人が1~2割くらい出る程度で回していくのが理想で
思っていたよりも売れ行きが早い場合には すぐに追加発注をかけるのが鉄則です。
※見込み数が割り出せない時は事前予約発注という販売手法もあります。
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②サービス価格のアイテムと、適正価格のアイテムを別けて考える
コストが安いアイテムはサービス価格で
コストをかけたアイテムにはしっかりとした売価を付ける必要があります。
例えば、
Tシャツが2枚並んでいて片方は3300円、もう片方は8800円だった場合に
質の違いや価値の違いが分からなければ顧客も金額の差に納得しません。
その為には販売する側が自分が売っている物に対しての知識が無ければ
なぜ価格が違うのかを説明できません。
プリント屋が作ったTシャツと
アパレルブランドのTシャツはレベルが違いますし
AIが一発変換で作ったベタっとした刺繍と
刺繍職人がパンチを作った光沢のある刺繍は仕上がりが違います
どんな業界でも同じですが売る側が商材の知識に詳しくなければ
お客さんはついてきてくれません。
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③狙いがある場合を除き、安値での販売をしない
例えば、
民家の玄関の前に「この服10円」と見るからに安物の服が吊られていたとして。
わー!買う! と飛びつく人がいるでしょうか?
逆に、そこに飛びつくような人をお客さんとして集めたいと思いますか?
衣類は安いから買う!という類の物ではありません
【着たいか/着たくないか】が入り口です。
オリジナル商材は仕入れ商材とは違い
利幅を自社でコントロールできるというのが最大のメリットであり武器なので、そこを適当に扱ってしまうと
・どれだけ売れてもトータルで赤字
・どれだけ安くしても全く売れ行きが伸びない
といった状況に追い込まれていきます。
仕入れ商材の小売りのみのテナントさんなどで良く見落としガチなのは
オリジナルの商材制作は制作を考える段階から既に人件費が発生している
という事が抜け落ちているケースが多いです。
また、販売する面積に対しての地代や年間の来店数なども考慮して下さい。
これはバザーやフリーマーケットで考えれば分かりやすいです。
◆参加費5000円のバザーに参加するとして
割り当てたられた面積が1m×1mだとします。
そこで1アイテムが25cm×25cmのアイテムを売るとしたら
4個しか置くことが出来ません。
そして1個あたりの粗利は1000円です。
つまりMAXで4000円の粗利しか取れないのに
5000円の参加費を払っていることになります
売れ行きは良いのに蓋を開けたら大赤字
とならないよう意味のある安値販売と足を引っ張るだけの安値販売の違いには気を付けて値付けする必要があります。
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だからと言って、高値で売っていいわけではない
無意味な安値販売は効果がありませんが
だからと言って無意味に高値を付けていいわけではありません。
今は中学生でもプリント屋のTシャツに印刷しただけの物なら原価も知っています。
激安かんたんプリントで印刷しただけの物を6000円や8000円強で販売していると
「あそこのお店は激安Tシャツサービスで印刷しただけの物なのに、とんでもない値段で売ってるよ」といった評価をされてしまいます。
プリントウェアはあくまでプリントウェアなので
無理に高値で販売せず、お土産品などのように手ごろな価格で販売する方が適しています。
アパレルブランドが販売しているウェアはプリントショップで作った物では無いので 無理をしてアパレルブランドと同じ価格帯で販売はしなくても大丈夫です。
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アパレルブランドとして展開をしたい場合
例えば、
5型の内4型は生産をかけた服で1型だけはプリント屋のTシャツにしたとします。
その中でプリント屋で作ったTシャツだけはサービス価格で販売して
ちゃんと生産をかけた服の方は適正価格で販売する
というのは小規模~中規模のアパレルブランドでも良くある混ぜ方です。
しかし、
5型ある内の5型が全部プリント屋で印刷しただけのウェアでは
アパレルブランドとしては成立しません。
販路を広げるために委託販売先の店舗を探しても
プリント屋の服をお店に置いてくれるセレクトショップもありません。
アパレルブランドとして運営する場合には
印刷業ではなく、アパレル業もしくはサプライヤーとの交渉など
本域で生産をかけて展開していくしかありません。
これは1枚2枚を試しで作ってみる といった気軽な物では無いので
充分な予算や試作、期間も要するため気軽に踏み込める領域ではありません。
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海外の激安通販について
ここ数年の流れとして
海外の激安ファッション通販サイトが若年層や貧困層を中心に浸透しています。
しかし、そこでの購入体験は
・本物だと思って購入したらニセモノだった
・作りあの粗い 雑な商品が届いた
というような「安い物を買って失敗した」という実体験が積み重なり
安いだけの物に興味はなく
「アイテムとして説得力のあるモノ 信頼できるモノ」
「そこに価値があると自分で納得が出来るものを購入する」
という流れに傾いてきているように感じます。
その流れの象徴となるのは
街に出れば3000円でファストファションが手に入るのにも関わらず
使い古された古着を買い求める層が増えたのも 上記の流れの一旦になっています。
古着の服は年代的には60~90年代
まだ衣類の生産のグローバル化が進む前の物が多く
生地の質が良い、縫製が独特、形が珍しい、歴史がある、他の人と被らない、といった【価値】を感じられることに対して出費をする傾向が強くなってきていると感じます。
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弊店ではクライアントに向けてアドバイスなども行っています。
デザイン
商材
ロット/予算/想定売価
など、
◆沢山の物を作らせることが目的の業者との違い
印刷業のプリントサービスは服を作っているわけではなく
印刷することが仕事なので出来るだけ多くの枚数を作らせることが目的です。
また、使用する無地の服も印刷業者用の無地ウェアのカタログがあり
そこから仕入れているだけなので、基本的に印刷業者はアパレル業のノウハウがありません。
しかし、弊社の場合はそうではありません。
クライアントが作ったものが実際にちゃんと売れてくれなければクライアントが潤わないので、クライアントが潤わなければ弊社に次のオーダーをかけてもらう事も無くなってしまい、結果的に弊社のサービスも頓挫してしまう事に直結します。
そういった意味でも、弊社はクライアントの現在の環境や方向性に合わせたアイテムづくりに真剣に向き合っているため
デザインの校正やデータの正否などの基本中の基本の部分からもご相談にのっています。