レイキを学び始めた私のもとに、ある日、40代の女性が相談にみえました。
彼女は病院で検査をしても「異常なし」と言われる、原因不明の体調不良に
悩まされていました。
ついには仕事を辞め、自宅に引きこもる生活を送っているといいます。
藁にもすがる思いで来られた彼女にレイキを当てていくと、回を重ねるごとに顔色が良くなり、あれほど苦しんでいた不眠が嘘のようにぐっすり眠れるようになっていきました。
身体がほぐれ、少しずつ心を開いてくれた彼女に、私はそっと尋ねてみたのです。
「普段、どんな環境で、どんなことを考えながら生活していますか?」
ぽつりぽつりと重い口を開いた彼女の口から溢れ出たのは、母親に対する激しい、激しい怒りの感情でした。
彼女は幼少期から、ピアノ、習字、バレエ、絵画と、数々の習い事漬けの日々を送ってきたそうです。天性の器用さもあり、どんなことも人並み以上にこなせてしまう。
でも――その中に、彼女が「本当にやりたいこと」は、たったひとつもありませんでした。
「すべてはお母さんのため。お母さんに褒められたい、認められたいから、頑張ってきたんです」
母親の教育によって、心の奥底(潜在意識)に「〜しなければならない」という他人のルールを刷り込まれ続けた結果、彼女は本当の自分を見失ってしまっていたのです。
「自分が何をしたいのか、何が好きなのか、もうさっぱり分からない……」
涙ながらに語る彼女の姿を見て、私はハッとしました。
そして、その姿を見ながら思いました。
< もしかすると、長い年月をかけて積み重なった心の思い込みや信念が、
身体にも影響を与えているのかもしれない。>
もちろん、それが体調不良の原因だと言い切ることはできません。
けれど、心が少しずつほどけていくのと重なるように、表情も身体の状態も
変わっていく姿を目の当たりにし、「心と身体は深くつながっているのでは
ないか」と強く感じたのです。
でも、当時の私には、そこからどうやってその深い心の傷を癒やし、改善すればいいのか、具体的な手の差し伸べ方がわからなかったのです。
目の前の人を救いたい。でも、今の私では手が出せない――。
その強いもどかしさと、「改善する方法をどうしても知りたい!」という純粋な欲求が、私を次の行動へと激しく突き動かしていきました。
振り返ると、人生はいつも次の扉を用意してくれていました。
一つの疑問が生まれるたびに、その答えへ続く道も、ちゃんと準備されていたのです。
――あなたは今、「本当の自分の気持ち」を置き去りにしていませんか?
身体の不調は、あなたの潜在意識からの「もう無理をしなくていいよ」というサインかもしれません。