昨日はだいぶ冷え込みました。
初冠雪のニュースを目にして、ふと思い出したことがあります。
私は4年半、ハローワークに勤務していました。
そこで多くの求職者の方との出会いがありましたが、今日はその一例としてAさんをご紹介します。
1.ハローワークの窓口
ところで、ハローワークの相談窓口にはたくさんの職員が並んでいます。
この窓口の職員を「指名できること」をご存知でしょうか。
通常は受付でレシートのような「受付票」や「番号札」を受け取り、指定された窓口で相談します。
この方法が一番早く、そして来所者を待たせずに対応できるからです。
ただ、そのため誰と相談するか、その時にならないとわかりません。
はっきり言って当たり外れがあるでしょう。
私もハローワークを利用して就職活動した経験があるので、「この人に相談しても無駄だな」と思ったこともあります。また、同性や異性など相性もあるでしょう。
そのため、ハローワークは利用したくないという声もよく耳にします。
ただ多くの方はご存知ないのですが、この職員を指名することができます。
受付で「〇〇さん、お願いします」とか「何番の窓口の方をお願いします」といえば、その職員を指名することができるんですね。
だから、毎回同じ職員と相談することが可能になります。
2.最長2時間待ち
私は指名が多くて、最長2時間待ちになったことがあります。
他の職員から「ディズニーランド並みだね」と言われたことも。
指名が続くと昼休みがとれなかったり、17:15閉庁ですが17:30まで相談していたこともあります。
私は「指名を頂くのは名誉なことでありがたい」と考えていました。
その私を指名してくださる来所者のなかに、Aさんがいました。
Aさんは、隣町に在住の40代の方。
ご家庭の事情で前職を辞められ、それが落ち着いたので再就職活動を始めました。
3.熱心な就職活動
Aさんは大変熱心な方で、ほぼ毎日のように来所おりましたが、時期は冬だったので、雪が降ると道路は大渋滞になります。
下記のような光景は、雪国では珍しくないのですが、まったく雪が降らない地域の方には想像できないかと思います。
Aさんは片道1時間半掛けて来所していたので、私が冗談で「定期を買って電車で来たらどうですか」と言いました。
そうしたら本当に3ヶ月の定期を購入されたとのこと。
ご本人も「この3ヶ月以内に就職決めます、それまで毎日ここに通います」とおっしゃっていました。
それから2ヶ月位経過したころ、Aさんは希望通りの条件の仕事に無事内定を得ることができました。
4.覚悟と意志
私はAさんの就職活動を毎日サポートさせて頂いた経験から、現在下記のサービスメニューをご用意させて頂いています。
Aさんの就職活動を振り返ると、決め手は「覚悟」と「意志」になるかと思います。
・覚悟=3ヶ月位内に就職を決める
・意志=そのため定期券を購入して、毎日ハローワークに通う
その年は雪の当たり年で、大雪の日が何度かありましたが、Aさんは欠かさず毎日来所されていました。
Aさんの熱心さは所内でも有名になり、所長が「うちの職員も見習って欲しい」とボヤくほどでした。
Aさんのように、熱心に就職活動に取り組む姿勢や態度が、チャンスを掴む最大の秘訣だと思います。
たとえば、私がハローワークに勤務jしていたのは15年前になりますが、当時はまだ履歴書は手書きが当たり前でした。
たいていの方は、応募先が決まってから慌てて履歴書を書くのですが、Aさんは「これも就職活動の一つ」だと考え、毎日5枚書いていました。
そして、その中から一番うまく書けた書類を提出しています。
2ヶ月間毎日5枚、合計300枚の履歴書を書いたことなります。
ご本人は「毎日、写経だと思って書いています。お陰で字がきれいになりました」と笑っていましたが、なかなか出来ることではないでしょう。
なお、これは私が指導したのではなく、Aさんの自ら考え行動したことです。
履歴書を毎日5枚書く。
失業中ですから時間はある。そして、紙とペンがあれば誰でもできます。
ただ、それを毎日続けられる人はいない。
私はこれまで5,000名以上の方の就職活動をサポートしてきましたが、Aさん以外にお会いしたことがありません。
「絶対3ヶ月以内に就職するんだ」という覚悟と意志が、定期購入と毎日履歴書を書くという行動に現れ、そして内定という成果を掴んだ。
私自身も大変学ぶことが多い毎日です。