1.キャリアってなんだろう
小学校からキャリア教育が始まり、定年退職後の生活をセカンドキャリアというようになりました。
20年位前から仕事の場面で「キャリア」という言葉が頻繁に使われています。
そもそもキャリアってなんだと思いますか。
キャリアとは、一般的には仕事や経歴、出世などの意味で使われますが、本来は働くことにまつわる「生き方」そのものを指す言葉です。
厚生労働省は、「過去から将来の長期にわたる職務経験や、これに伴う計画的な能力開発の連鎖」をキャリアと定義しています。
また文部科学省では、「人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分との関係を見いだしていく連なりや積み重ね」がキャリアであるとされています。
キャリアの語源は、ラテン語の「轍(わだち)」で、馬車の車輪により道路が削られた細い溝をさしていました。
そこから「これまでの人生の歩み」をキャリアと定義する人もいます。
人がたどる行路やその足跡、経歴、遍歴ですね。
そこから、職業上の経歴をキャリアと表すようになりました。
私は、この「人生の歩み」という表現が個人的に好きです。
なぜなら、キャリアとは人生そのものだと考えているからです。
2.キャリアアップとは
キャリアアップという言葉があります。
キャリアアップとはご存知のように、職業上の地位や立場を向上させることをさします。
いわゆる出世ですね。
日本の人事制度は、長らく年功序列制度と終身雇用制度を主としており、昇進することで給与も増加していく仕組みになっていました。
また昇進することで権限も与えられます。
だから、キャリアアップ=人生の成功と捉えられていました。
3.キャリアとバブル経済の崩壊
ところがバブル経済の崩壊を機に、年功序列と終身雇用も崩壊してしまい、新たに評価制度が導入。
評価面談とかキャリア面談と呼ばれる、半期もしくは年1回の面談を通して、過去の業績を評価して賞与や昇進を決定していくようになりました。
そのため、短期間で成果や実績を出すことが求められるようになりつつあります。
半年後や1年後の評価を上げることが働く目的になり、長期的スパンで物事を考える視点が不足しているように見受けられます。
また、キャリアアップ=人生の成功と捉えると、降格は人生の失敗となります。
役職定年が導入され、まだまだその業務を続けるスキルと体力があっても、年齢を理由にポジションを奪われてしまう人も出てきました。
昨日まで部下だった社員が、今日から自分の上司になるということも珍しくありません。
お互いにやりにくいでしょうね。
そのため、キャリアアップやキャリアダウンが人生の成功や失敗であると捉える見方を、そろそろ和達たちは手放す必要があります。
4.新しいキャリアの考え方
キャリアにはアップもないし、ダウンもない。
また、半年や1年という短い期間だけでなく、5年10年という長い期間で自分の能力開発を考える必要がある。
先にキャリア=轍(わだち)=人生の歩みという考え方をご紹介しましたが、自分の人生を振り返り満足できる生き方をすることが、新たに必要なキャリア開発の視点だと思います。
そのためキャリアを、自己の成長や長期の自己実現として、時間を掛けて自分を育てていくことが大切です。
それが結果的に知識とスキルを向上させ、自分の市場価値を高めることになり、より多くの選択肢を持つことになります。
継続して勤務するも良し、他社へ転職するも良し、起業するも良し。
このように時間を掛けて自分を育てるプロセスにより、自己肯定感を高めることで内面的な満足度の向上にも繋がります。
それが自分の人生を振り返ったとき、高評価に至る重要な要素になります。
試しに、あなたの周りにいる上司や先輩、同僚に「自分の人生に点数をつけるとしたら何点になるか」と、質問してみましょう。
出世している上司や先輩、成功者といわれている人でも、意外に点数が低いことに驚くと思います。
あなたが思っている以上に、人生に不満を抱えていることがわかります。
大切なことは、自分が納得できる、満足できる人生を歩むことです。
ところで、あなたは自分の人生に何点つけますか?