「昔は絶対ないと思っていたのに」
「あの人、昔だったら絶対に意識しなかったと思う」
そういう話を聞くことがある。
20代のころは「ちょっとでも条件が合わなかったらナシ」と思っていた。外見、年齢、職業、収入——ひとつでもずれると、候補から外れた。
それが、30代、40代と重ねるにつれて、なんとなく変わってくる。「前なら気にしていたことが、そんなに気にならなくなった」「逆に、昔は気にしなかったことが大事になってきた」
これは、恋愛観が成熟したから、とか、諦めが出てきたから、とかいう話でよく説明される。
でも、研究の話を聞いていると、もう少し違う可能性があるらしい。
「かわいさの基準が変わる」のは、ただの心理的変化ではなく、脳の変化として確認されている現象と重なっている部分があるようだ。
これを最初に聞いたとき、「あ、変わるのは弱さや諦めではなく、機能の拡張かもしれない」と思った。
そして同時に、「なぜ自分はその変化に気づいていなかったのか」という疑問が出てきた。
第1章:「許容範囲が広がる」ことの、生物学的な背景
ここで、「かわいさの基準が変わるメカニズム」を詳しく解説するつもりはない。
解説すると、「なるほど、そういう仕組みか」で終わってしまうからだ。
かわりに、こういう話をしたい。
「かわいいと思えない」ものを「受け入れられる」というのは、何かが増えることではなく、「見る範囲が広がる」ことだ、という話がある。
若いころは、「自分に直接関係するもの」に絞って見ている。それが時間とともに、「直接関係しなくても受け入れられる範囲」が広がる。
おそらく、これは何らかの構造的な変化に伴っているのだと思う。「なぜそうなるのか」については、研究がまだ続いているようだ。
ただ、こういうことは言える。
「見る範囲が変わる」とき、人は無意識のうちに、「自分がどういう相手を選ぶか」の基準も変えている。
問題は、その変化に本人が気づいていないことが多い、ということだ。
「昔とは基準が変わった」のに、昔のまま行動しようとしている。あるいは、「基準が変わった」ことを「自分が落ちた」と感じて、また元の基準に戻ろうとしている。
どちらも、自分のパターンが見えていない状態だ。
僕自身にも、似たような経験がある。
職場で本当に追い詰められていた時期があった。朝5時半に出社して、夜9時に帰る生活が続いた。体重が10キロ落ちた。夜はお粥しか食べられない状態が1年近く続いた。
そのころ、コミュニケーション教室に通い始めた。年間40万から50万円くらいかけて、3年通った。
少しずつ、職場での状態は改善した。
でも、恋愛に関しては、やり方は何も変わっていなかった。「もっとちゃんとやれば、うまくいくはず」という考えで動き続けていた。
「自分のパターンが変わっているかもしれない」という発想が、そのころにはまったくなかった。
第2章:「基準が変わった人たち」の話
ミカさん(仮名、40代・デザイン系)は、20代から30代にかけて、「タイプ」に強くこだわっていた。
「背が高くて、話がおもしろくて、サバサバしている人」が好みだった。そういう人とだけ付き合ってきた。毎回どこかで壊れていた。
40代に入って婚活を再開したとき、「なんか、前と感覚が違う」と感じていた。でも、それが何かはわからなかった。
自分のパターンを整理してみて、気づいた。
「自分がずっと、相手の外側にあるものだけを見ていた」ということに。
話がおもしろいか、外見はどうか、職業は——それは全部、「外側」だった。「自分が相手にどういう感情を持つか」を、ほとんど見ていなかった。
それがわかって、何が変わったかというと、「感情の方を先に確認するようになった」と言っていた。
9か月後、ミカさんには付き合い始めた人がいた。「タイプじゃないと思ってたのに、いつのまにか好きになっていた」と笑っていた。
ヒロシさん(仮名、50代・営業職)は、「もう年齢的に選ばれない」という前提で婚活を始めていた。
「自分はもう、相手が妥協して選ぶものだろう」と思っていた。
自分のパターンを見てみると、全く違うことがわかった。
ヒロシさん自身が、「相手の年齢と外見だけで判断している」という同じことをしていた。
「人に評価されることを怖がっているのに、相手のことは外側だけで評価していた」ということが見えた。
それがわかったとき、「あ、これはやばいな」と本人が言っていた。
それからの行動が変わった。1年後、ヒロシさんは婚約していた。
ただ、2人とも、これを「一人で見つけた」わけじゃない。外から整理してもらえる機会があった。
自分のパターンは、パターンの中にいると見えない。これは能力の問題じゃなく、構造の問題だ。
第3章:「自分を変えようとすること」が、なぜ裏目に出るのか
婚活や恋愛がうまくいかないとき、多くの人は「自分を変えよう」とする。
もっと魅力的になろう。もっとコミュニケーション力を上げよう。もっと前向きな自分になろう。
これは間違いじゃない。
でも、こういうことが起きる。
「自分を変えようとする」→「なかなか変わらない自分に気づく」→「もっとがんばらなきゃ」→「また変わらない」→「自己評価が下がる」→「もっと相手の目が気になる」
努力するほど、かえって「自分はダメだ」という感覚が強くなっていく。
「自分を変えよう」という試みそのものが、問題を強化していることがある。
なぜかというと、「変えなきゃいけない部分」が何かをはっきり見ないまま、とにかく全部を変えようとしているからだ。
自分のパターンが見えていないまま「変わろう」とするのは、目標地点がわからないまま走っているようなものだ。距離を増やせば増やすほど消耗するが、どこにも着かない。
「変わろうとすること」より先に、「自分のパターンを知ること」がある。
そのパターンが言葉になったとき、「どこを変えればいいか」が初めて見えてくる。
正直に言う。
レポートを読んで、すぐに何かが劇的に変わるわけじゃない。
相性が合わないと感じることもある。実際、合わなかった人もいた。
ただ、「自分の恋愛パターンを言葉にして、整理したい」という人には、役に立てると思っている。
回答シートに記入するだけで、2つの心理学理論を組み合わせた、あなたのパーソナリティタイプと恋愛パターンの分析レポートをPDFで届ける。20ページ以上の内容で、相性の良い相手のタイプと、今日からできる行動提案まで含まれている。
レポートを読んだあと、「自分はこういうパターンで動いていたのか」と言葉になる。そこから、次の動き方が変わってくる人が多い。
気になったら、一度見てみてほしい。→
一つだけ言っておく。「自分のパターンがわからないまま自分を変えようとし続ける時間」は、消耗するだけになりやすい。僕は何年もそれをやって、気づくのが遅かった。
おわりに
「かわいさの基準が変わる」という話から始めて、「自分のパターンを知る」という話に着地した。
年齢を重ねることで、見える範囲が変わる。基準が変わる。それは弱さではなく、機能の拡張かもしれない。
でも、その変化に気づかないまま、昔のやり方を続けていると、「変わったはずなのにうまくいかない」という状態になりやすい。
この記事を読んで何か引っかかるものがあったなら、たぶんそれは、自分の話だからだと思う。
🙋 このブログを書いている人について
だいき|産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
会社員時代、職場の人間関係でメンタルが限界に。「このままではまずい」と一念発起し、コミュニケーションを学び直した経験が、産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの資格取得につながりました。
恋愛・婚活でも7年間で88人とデートを重ねながら、うまくいかない時期が長く続きました。その苦しさを知っているからこそ、脳科学・進化心理学・愛着理論といった知識を「自分ごと」として学び続けてきました。
キャリアブレイクコミュニティでは160回以上のワークショップを主催。さまざまな悩みや状況を持つ方と向き合い続けてきた経験が、相談の土台になっています。
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