周易古占例 (54)菜種(なたね)の荷物十簟(たん)不足せるの占、(55)当時吉凶の占

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天元春日  周易古占例 28

本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。
【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(28)】

ー真勢中州について
真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。
『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、
「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」
と記されています。

ー真勢中州とその一門の占例

(54)は菜種(なたね)の荷物十簟(たん)不足せるの占、(55)は当時吉凶の占例です。

(54)菜種(なたね)の荷物十簟(たん)不足せるの占

解(かい)  恒(こう)
占にいわく、本卦の解は、険難の解けるの象たれば、その混錯(こんさく)の険難も散るべきの象義とす。
また之卦の恒は平常の義たれば、これ平常に復してその物自然に出てくるべしという。
はたしてしかり。

(55)当時吉凶の占
遯  同人
占にいわく、これは主人の家の金子を引負して預けられていると見ゆ所全帰参埒明ざれば、いっそ出奔せんとの意みゆ。
これ甚だ大凶たるなり。決してその考を改め止あるべし。
これ、本卦遯の象あり。
乾を主人とし、金子とす。
内卦の我は艮土。主家の乾に背きたるの象。
出奔とはすなわち遯の卦名の義たり。
ただ、よく慎み成してかたく正く守り居るときにはおよそ今日より三十日ばかり過ぎて証文を差入とて帰参すること叶うべきの象あり。
これ之卦同人の象義たり。三十日と日数を指さること 伝

※出典 真勢中州『占験諸例』(写本復刻)文章は読みやすくするため、適宜加削変更しています。
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