周易古占例 (56)「日蓮宗本山同志の官愬(うったえ)」の占、(57)「一僧、当時の吉凶を問う」の占

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天元春日  周易古占例 29

本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。
【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(29)】

ー真勢中州について
真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。
『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、
「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」
と記されています。

ー真勢中州とその一門の占例
(56)は「日蓮宗本山同志の官愬(うったえ)」、(57)は「一僧、当時の吉凶を問う」の占例です。

(56)日蓮宗本山同志の官愬(うったえ)
蹇(けん)  既済(きさい)
占にいわく、この訟獄は今と為ては進むこともならぬ又退き去る事もあたわずして大いに艱難苦悩たるべし。
これ本卦蹇(けん)の象義(しょうぎ)たり。終には此方(このほう)散々(さんざん)の大敗北となるべし。
これ之卦(しか)既済(きさい)の象義(しょうぎ)たり。

(57)一僧、当時の吉凶を問う
大過 姤
占にいわく、これはその身の多疾なるに苦しみ疲れて寺
役をつとむることに堪えずして隠居せんとねがうなるべし。
これ本卦の大過の卦名の義なり。また卦象の義なり。
されども隠居することはよろしからざれば、思いとどまるべし。
これ、本之二卦の転歩を以てせるの判なり。
また古占変通法かつ寺内に沼池二つまであるべし。
これ本卦の大過をば二兌の象と視たるの判なり。
その二の池の中にて乾の方に在る処の池を填埋とおもうの志あるべし。
これ之卦姤の象義たり。兌の池変じて乾の无(む)となるとの観象たり。
これも古占変通法なり。
これらの義もみな総じてよろしからざることなれば止るべきことなり。
※出典 真勢中州『占験諸例』(写本復刻)文章は読みやすくするため、適宜加削変更しています。
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