周易古占例 (58)「ある家の婢子(ひし・はしため)、当時の吉凶を問う」の占、(59)は「酒造家、その制酒の穀数を増さんことを問う吉凶」の占

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天元春日  周易古占例 30

本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。

【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(30)】
ー真勢中州について
真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。
『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、
「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」
と記されています。
ー真勢中州とその一門の占例

(58)は「ある家の婢子(ひし・はしため)、当時の吉凶を問う」、(59)は「酒造家、その制酒の穀数を増さんことを問う吉凶」の占例です。

(58)ある家の婢子(ひし・はしため)、当時の吉凶を問う
咸 革
占にいわく、本卦の咸の卦の初爻変じ動きたり。
こと咸ずることの初めの義たれば必ず帰嫁
せんとおもうなるべし。 されども之卦革と変じたり。
革とは改革変更の義たれば、これ必ず間なく破
縁するの義たれば、まずこの帰嫁のことは止まり
休むを吉とす。

(59)酒造家、その制酒の穀数を増さんことを問う吉凶
屯  益
占にいわく、これ制酒の穀数を増さんこと甚だ吉な
るなり。これ本卦の屯、之卦の益、両卦の象義
たり。さるにその居宅の中に旧き井のありしに蓋
をなして土を覆いてその上に住居せるところあるべし。
これ坎変じて巽となる、古変通にして
咸通より得来るところの占なり。これがために障え
犯されて疾人多かるべし。  これ本卦屯の坎の
象。その井を掘りかえして水澄みしをも取り除いて
実に底より篤と埋めてしまうべし。 これ益の象
を実するところの活用の作略なり。
※出典 真勢中州『占験諸例』(写本復刻)文章は読みやすくするため、適宜加削変更しています。
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