周易古占例 (60)「出産の期を問う」の占、(61)「先妻の男子と後妻と不和なるをもって右二人の中にて何れをか出して吉なりやと問う」の占

記事
占い
天元春日  周易古占例 31

本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。
【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(31)】

ー真勢中州について
真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。
『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、
「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」
と記されています。

ー真勢中州とその一門の占例

(60)は「出産の期を問う」、(61)は「先妻の男子と後妻と不和なるをもって右二人の中にて何れをか出して吉なりやと問う」の占例です。

(60)出産の期を問う
恒(こう) 鼎(てい)
占にいわく、当月は臨月(りんげつ)たりといわるれどもその期は必ず延引すべし。
これ本卦恒(こう)の判たり。恒(こう)とは久しきなり。
常なり。
これ変動せざるの義なるゆえに延引と判じたるなり。 
その出産は来月の初旬にして丙丁の日の中に必ず女子を生むべきなり。
果たしてしかり。
これ、之卦(しか)の鼎(てい)の象義(しょうぎ)たり。
鼎(てい)は改まりたるの義たれば、来月と改まり上卦(かみか)の離の丙丁の日の中に離の女子を生むべしと視たるなり。


(61)一人先妻の男子と後妻と不和なるをもって
     右二人の中にて何れをか出して吉なりやと問う
乾(けん) 泰(たい)
占にいわく、まず子息の方をば丸三年ばかり外へ出して
おかるべきことなり。
しかる時には後には母子の間も自然に相和すべきなり。
これは本卦(ほんか)の乾(けん)の内外全て剛なるをもって相和順せずとみてこれを三年別に離しおく時には之卦(しか)の泰(たい)となりて親しみ和すべしとみたるの判(はん)なり。
果たして三年の後は妻の方より段々とわび言にてとりかえし至りて和睦せしなり。
これは国語の乾(けん)の否(ひ)に之卦の占法に本附きてそれより転じて活用したるものなり。

※出典 真勢中州『占験諸例』(写本復刻)文章は読みやすくするため、適宜加削変更しています。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す