周易古占例 (52)器物混錯(こんさく)の占、(53)荷物混錯(こんさく)の占

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天元春日  周易古占例 27

本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。
【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(26)】

ー真勢中州について
真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。
『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、
「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」
と記されています。

ー真勢中州とその一門の占例
(52)は器物混錯(こんさく)の占、(53)は荷物混錯(こんさく)の占例です。

(52)器物混錯(こんさく)の占
節(せつ) 臨(りん)
占にいわく、これ混錯のことは、元来彼方にも我方にも共に故妄あることなし。
ゆえにその旨を良く言い述ぶるなり。
その事は無事に済うべきことなり。
これは本卦の節にて彼方に坎(かん)の間違いしことあれども卦名、貞節の義
たれば故妄あることなきなり。
之卦にては、その坎の間違い消え失せて坤の柔順となりて、その事納まるべきなり。
彼方は本卦之卦ともに兌たれば兌の口をもって柔順に和悦してその理を説き述べたらば、その事和諧(わかい)すべしと観たるなり。

(53)荷物混錯(こんさく)の占
无妄(むもう)  噬嗑(ぜいごう)
占にいわく、この事は彼にも我にも互いに虚妄の義あることなきの象義たり。
われ、本卦无妄の象義たり。
无妄とは動くに天をもってするとの正直の卦たり。
ゆえに妄なることなし。
ゆえにそのままにして、さのみ頓着せずとも自然にそのこと明白になりて事済すべし。
これ、之卦噬嗑の卦象たり。噬嗑は日の東方に出るの義にしてその理、分明たるの象。

※出典 真勢中州『占験諸例』(写本復刻)文章は読みやすくするため、適宜加削変更しています。
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