周易古占例 (50)待ち人の占、(51)水論勝敗の占

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天元春日  周易古占例 26

本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。

【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(26)】

ー真勢中州について
真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。
『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、
「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」
と記されています。

ー真勢中州とその一門の占例
(50)は待ち人の占、(51)は水論勝敗の占例です。

(50)待ち人の占
艮(ごん)  賁(ひ)
占にいわく、この人は足に痛むところ出来て、来ることあたわざるべし。
初爻(しょこう)を足とす。
艮の初六爻(こう)の動きに取れるなり。
あるいは女子、重箱をゆずり提えて来ることあるべし。
はたして中(あた)れり。
重艮の卦に重箱の象義あり。
かつ艮、変じて離の卦となる。離を美麗とし、
女子とす。賁(ひ)は文飾るの卦象たればなり。かつ按(あん)ずるに
この女子、重箱をかざりて提(たずさ)え来るとの判はこれを別象別義にて本題の待人の件には係らざることなれども、その卦の中にその象ありて心に感動せるをもってこれを占せるものなり。
これ別象別義のことは文中にも往々あるところの例たるなり。

(51)水論勝敗の占
巽 渙
占にいわく、これ水論の被告なるべし。巽(そん)を倒兌(とうだ)とす。これ上卦(かみか)の彼の方より倒兌(とうだ)の口をもって言いかくるの義とす。ゆえに我方は被告なるべしと判じたるなり。
敵かたよりは水を散んとなるべし。これ本卦(ほんか)重巽と之卦(しか)の渙(かん)との二卦(にか)の画象たり。
また義象(ぎしょう)たり。わが方は、わが田地を養わんというべし。
これ中卦の頤養(いよう)の象と、また下卦坎の象。これは何れにも見分(けんぶん)を行うがよし。
見分(けんぶん)を受けたるときには、必ず勝つべきことなり。
元来その水はわが方にのみ有りて、彼の方には水あることなければなり。これは内卦のわが方に坎の水あればなり。
また養いの義もわが方にあればなり。
果たして勝つことを得たり。
※出典 真勢中州『占験諸例』(写本復刻)文章は読みやすくするため、適宜加削変更しています。
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