思い出「2択の死闘」

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【最新ワープロ】





9歳の時
我が家にワープロがやってきた。
ヾ(*´∀`*)ノ

このワープロは
キャノンの最新技術が詰まった
ワードプロセッサーだった。

そのワープロは
「キャノン α100」と言うワープロ。

このワープロは
パソコンと違いワープロ専用機。

ブラウン管モニターと
フロッピーディスクを入れる場所が
一体化している。

そして
専用キーボードと
プリンターが付いていた。
(o'∀'))フムフム

プリンターも今の物と違い
フィルム写真と同じ方式で文字を印刷する
インクリボンという物を使ってた。


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【文章革命】





俺は
このワープロが珍しくて
当時すごくお気に入りだった。
(≧▽≦)

パソコンがあったけど
パソコンだとゲームをするか
プログラムを打つ事しか使い道がない。

しかしワープロは
日本語の文字を入力して文章が書ける!
(*ノ≧∀)ノ

俺は
今まで文章を書くのは
全部手書きで書いていた。

そんな中
キーボードで文字を入力すれば
手書きより遥かに上手な字で
文章が書ける事に感動してしまった。

当時
日本語入力媒体が
ワープロしか無い時代だった。

そんな時代のワープロは
パソコンよりはるかに
画期的なテクノロジーだった。


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【2択アドベンチャー】





俺は
このワープロが珍しくて
毎日のように使っていた。

しかし俺は
文章を書く事が
この頃から苦手だった。

なので
適当に文字を打って遊ぶしかなかった。
(´・ω・`)ショボーン

でもある時学校で
正解か不正解の2択で進む
アドベンチャー本が流行っていた。

この本は
ページを読み進めていくと
2択の問題が出る。

そこで間違うと
そのアドベンチャーが失敗になった。
( *・з・).*;'.、

こうして正解だけを選で行けると
最後まで進みクリアーになる。


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【初の自作本】





俺は
この2択本が好きで
みんなから本を借り
かなりやりこんでいた。

そうしている内に
自分でも2択で進む
アドベンチャー小説のゲームを
作りたくなった。

そして早速
最新式のワープロを使い
自分で作ってみる事にした。
((o(*´∀`*)o))わくわく♪

俺は
文字を手書きで書く作業が無いので
夢中で作り続けられた。

もしワープロが無ければ
手書きで作らないとならないから
面倒くさくて絶対作ってない。

そして俺は
この2択で進む本を
自分でも信じられない位
一生懸命作り続けられた。

そしてとうとう
第一作目が完成した!
\(^_^)/


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【間違えだらけの本】





そして
完成した2択小説を
インクリボンプリンターで印刷して
学校に持って行き自慢してみた!

その反応は
「誤字脱字だらけで文字読めないじゃん!」
と言う反応だった。
(´;ω;`)

俺は
完成した事が嬉しくて
自分で読んでいなかったのだ。

その事がショックで
この後自分で本を読み返し
間違いを修正する事にした。

そうすると
誤字脱字どころか
正解を選んでも不正解のページ行く。

もう
間違えだらけの本で
自分のバカっぷりが情けなくなった。
(;д;)グスン

しかし
せっかく一生懸命作ったのだから
全部直して再自慢すると決意した!


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【2択本完成】





その後
必死になって何度も文章を読み返し
選択した行先のページの修正をした。

そして
やっとの思いで完成させる事が出来た!
ヤタ───ヽ(・∀・)ノ───!!

今度は
その本を自分で読んでプレイしてみる。

そうすると
まだ誤字脱字や
2択で選んだ行先のページが間違っている。

俺は
また修正し
何度もこの作業を繰り返した。

そして
5度目くらいの修正で
完璧な物が完成した!
(ノ≧∀)ノわぁ~い♪

ここまでの道のりは
非常に長かったと感じて
もう感無量だ。


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【才能】





俺は
早速学校に持って行き
この2択本を自慢してみた。

その反応は
「ストーリーが面白くない~」
と言う反応だった。
(´;ω;`)シクシク

そして俺は
「ストーリーを面白くするなんて
難しすぎるよ~」
そうなげいてしまった。

この時の俺は
ストーリーの面白さは
才能がないと無理だと感じてた。

漫画本しか読まない俺にとって
ストーリーを面白くする能力なんて
全然ない。
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン

でも
ある事に気が付いた。

「この2択本を自分で作っているのは
別に俺だけじゃない」と。


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【スペシャリスト】





その事に気が付いた俺は
他の人が作った2択本を
ワープロで作ってみる事にした。

内容が面白い手書きの2択本を
ワープロで作り直せば
質が高い物が出来ると感じたからだ。
ウフフ♪(。-艸・。)

その事を
評価が良い2択本を自作してる
スペシャリストの子に話てみた。

その子の名前は
「猪鼻昭義」君。

太ってた子で
あだ名が「ブーちゃん」だった。
(・´з`・)ブーチャン

俺は
ブーちゃんから自作の2択本を借りて
早速ワープロで製作してみる事にした。

この時の俺は
9歳に似合わず
もうキーボードの使い方になれていて
手早く文字を打つ事が出来ていた。


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【増刷】





そして俺は
ブーちゃんから借りた2択本を
ワープロで作り直し完成させた!

そして
3回くらい見直しをして
それをブーちゃんに渡してみた。

そうすると
「ワープロの方が質が高くて良いよ!」
そう喜んでくれた。
ヤタ───ヽ(・∀・)ノ───!!

その後その2択本を
クラスの人に見せて自慢したら
「俺もこの2択本欲しい!」
そう言われてしまった。

クラスの子達は
ワープロを使えば何枚でも
無限に印刷できると思い込んでいたのだ。

俺もプリンターを使えば
無限に作れると思い込んでいたので
増刷を安請け合いした。
(・∀・)イイヨイイヨー


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【ワープロフル稼働】





そして家に戻り
ブーちゃんの2択本をプリンターで増刷し始める。

増刷数は
クラスの男の子全員分だったので
20冊くらいだった。

ページ数は
10ページ位あった気がする。

なので印刷数は
10x50で500ページ分!
(ノ・ω・)ノオオオォォォ-

しかし
この時のプリンターの印刷速度は
1ページ印刷するのに1分位かかった。
(=_=)オソイ

その為
夕方から夜遅くまで
プリンターを動かしっぱなしにしてしまう。

この時母親は
写植の仕事で猛烈に忙しかった為
特に何も言われなかったが
父親が呆れた顔して見ていた記憶がある。


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【無駄使い】





その後
やっと印刷が終わって
使い切ったインクリボンが5個になった。

そして母親が一休みした時
そのインクリボンの数を見て
悲鳴を開けた!
キャ━━━━(#゚ロ゚#)━━━━ッ!!

なんと当時のインクリボンの値段は
1個2000円もする事が判明した!

俺は
その2000円のインクリボンを
10000円分使い切ってしまったのだ!

案の定俺は
母親にめちゃくちゃ叱られてしまう。
ギャー!ε=ε=(*ノ>Д<)ノ

でも印刷した2択本は
しっかり完成してるからとりあえず
役目を果たした感があった。

翌日その2択本を学校に持って行き
みんなに配ると物凄く喜ばれて
昨日母親に怒られた事なんて全部忘れて
俺も嬉しい気持ちになった。

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