「反則!平泳ぎ」

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【無理難題】





7歳の小学2年生の時
学校で水泳大会が行われる事となり
まだ泳ぎ切ったことが無い50mの
平泳選手として強制的に選ばれた。
ヒィー(゚ロ゚ノ)ノ

なので俺は
学校のプール授業の自由時間に
平泳ぎの練習をさせられて
泳ぎ方だけ何とか身に着けた。

しかし体力的に
30m以上泳ぐ事が出来ず
50mのゴールがはるか先に見えて
泳ぎ切る自信が全くない。

なのでもう俺は
50m泳ぎ切る事をあきらめて
途中で立って失格になっても
別に良いやと思ってた。

でもいくらやっても50m泳げない
俺の姿を見てた先生が
「50m泳ぎ切らないとこの競技
成立しないから泳いで」と言う。

この時俺が思った事は
「そんなにプレッシャーかけても
泳げないのにな~」と感じて
無茶ぶりをされた気分になった。
|ω・`)ショボーン

するとスイミングスクールに通う
水泳が得意な子が俺の所に来て
少し指導してくれる事になり
ありがた迷惑な気分になった。


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【練習】





その水泳が得意な子は
俺の泳ぎ方を見て
「潜水時間が短いから
体力消耗しちゃうんだ」と言う。

確かに俺の泳ぎ方は
平泳ぎで進むときの潜水時間が
とても短くて何度も顔を出し
無駄な動きが多い。

なので早速教わった通りにやると
進むスピードが少し増して
体力の消耗が減ったので
この泳ぎ方を練習してみた。

しかし癖がついてしまった
今までの泳ぎ方を直すのは
結構大変でなかなか直らず
意識して泳ぐとスピードが出ない。

すると泳ぎ方を教えてくれた子が
「50m泳ぎ切らないと競技自体
不成立になるぞ!」そう言って
俺にプレッシャーをかけてきた。
ヒィィッ!!∑(;Д;ノ)ノ

この時俺は
「別に1人で泳ぐ訳じゃないし
1人位失格になっても良いじゃん」
そう感じて諦めモードだった。

そもそも最初から50mなんて
泳げないと言ってたのに
強制的に参加させられた
俺の気持ちも解ってほしかった。
(# ゚Д゚)プンスコ


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【ほめて伸びる】





とある日曜日に俺は
父親に「50m泳げないのに
強制的に50mの平泳ぎに出されて
圧力かけられる」と愚痴った。

すると父親が
「ならこれから市民プールに行って
練習してみよう」となり
プールに連れていかれる事になる。

市民プールは
50mのコースがある大人用と
浅いプールの子供用があったが
今回大人用に連れてかれた。

そして父親に
俺の平泳ぎを見てもらうと
「すごい!水泳選手みたいだ」
そう言われて凄く褒められた。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

その事に気が良くなった俺は
50mプールをずっと泳ぎ続け
俺の神がかった平泳ぎを
父親に見せつけて自慢した。
(∩´∀`)∩ワーイ

その後ずっと泳いてた俺は
途中で疲れてしまって
その場で泳ぐのをやめると
なんと!40m位泳げてた!

この時
「俺が本気出すと凄いじゃん!」
そう感じてしまい
なんだか50m泳げる気になった!


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【不完全】





学校のプールの授業の時
早速40m泳げた事を自慢し
実際に泳いで見せる事となり
本気の俺を披露した。

そして父親に褒められて
天狗になってしまってた俺は
もう50m泳げると思い込み
自信満々で泳いで見せる。

しかし40m付近に近づくと
やっぱり体力の限界で泳げず
足をついてしまって
凄くショックだった。

とりあえず40m泳げた事に
みんなから希望がもたれて
なんとしても50m泳ぐように
またプレッシャーをかけらる。

その後どう頑張っても
45m泳ぐことが限界で
50m泳ぎ切れないまま大会当日が
とうとう来てしまった。

大会当日俺は
もう50m泳げなかったから
逃げたくていつもの持病の仮病で
棄権したくなる。
アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ

でも棄権なんて
とても出来る雰囲気じゃなく
とうとう俺の順番が回ってきて
半べそ状態でスタートについた。


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【犬かき】





そしてスタートのピストルが鳴り
プールに飛び込み
とりあえず25mまで泳ぎ切って
ターンして残り25mに挑んだ!

泳いでる途中
ちらっと他の選手を見たら
誰もいなかったので
全員ゴールし俺がビリだと感じた!

すると先生が横に来て
「みんな泳げなくて棄権したから
貴方が泳ぎ切らないと
競技成立しないの!」と叫ばれる!

この時「それで競技成立しないと
みんな言ってたのか」と気が付き
全員50m泳げない事知らないのは
俺だけだったと解った!

なのでもう死ぬ気で必死に泳ぎ
自己最高記録の45m付近に来て
限界を感じた時また先生が
「絶対泳ぎ切りなさい!」と叫ぶ!
ヒィィィ!!ε=ε=(ノ;゚Д゚)ノ

でも限界で足をつこうとした時
先生が「犬かき得意でしょ!
犬かきでゴールしなさい!」
そう叫ばれた!

なので俺は
とっさに犬かきをし始めると
大会委員長が「はぁ!犬かき⁉
これ平泳ぎよ!」と叫んだ!


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【反則勝ち】





その委員長の叫びを聞いた先生は
「私が許す!泳ぎ切りなさい!」
そう言われたので俺は
そのまま犬かきでゴールした!

でも50m泳ぎ切って
無事にゴールできた事で
クラスのみんなから褒められて
クラスの恥にならずに済んだ。
( ´ー`)フゥー...

しかし俺に泳ぎを教えてくれた子に
「最後の犬かきズルいよな~
俺50m泳げるよう指導したのに~」
そう言われ申し訳ない気分になる。

そして先生の方を見たら
先生が大会委員長に
深々と頭を下げてペコペコ謝ってて
かなり無茶な事をしたのが解った。

その後水泳大会が無事に終わり
表彰式が始まったが
「俺犬かきしたから失格だな」
そう感じて諦めてしまった。

するとなんと!俺の名前が呼ばれ
「平泳ぎなのに犬かきなんて
反則だけど50m泳いだので
特別賞あげます」と言ってくれた!

その後反則しないと平泳ぎ50mを
泳ぎ切れなかった事が残念で
次こそ反則しないで正式に
50m泳ぎ切ろうと誓ったのだった。

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