小説「ミトミと私の奮戦記。」◇14歳 急に歳とるんだね

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◇14歳 急に歳とるんだね

 私は大学に行きそのまま東京で就職、連休や休日以外は帰って来れず、そのたまの休みに戻る。

 玄関の前に立ちドアの向こうから カシャ カシャ 足の爪の音。ミトミが駆け寄りくるくる回りながら
 「ワンワン」「お帰り、お帰りなさい」と出迎え吠えている。

 「ただいま ミトミ」
 そう言って抱き上げるとなんか小さくなった気が・・・

 「ちょうどいい気候だし、帰ってきた挨拶代わりに庭でブラッシングしよっか」
 「わんわん(喜んで)」

 私は荷物を自分の部屋に置き、庭でのブラッシングの準備とついでに気分転換も兼ねて、お気に入りで今日の気分の曲をかけようと探す。

 ちょっと曇っているが、暑くも寒くもなく程よい気候、
 曲はバッハか、モーツァルト、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲?それともスティービーワンダー?濱田金吾?エルトンジョン?西城慶子?ユーミンの”ベルベット・イースター”か”雨の街を”も合ってる気がする。
 どれにしようか?迷っていると

 「早く~」
 1階からミトミの催促の声。
 「ハイハイ 分かった。今行くよ」
 今日はユーミンの”雨の街を”にしておこっと♪

 「夜明けの雨はミルク色・・~誰か~優しく私の 肩を抱いてくれたら~どこまでも遠いところへ歩いて行けそう~♪」
 庭で静かに曲が流れる中、シャク シャク シャク 久しぶりにミトミの毛をとかしていると、毛が薄くなって身体も細くなってる。なんか急に老けた感じ?
 ミトミは気持ち良さそうに寝入っている。

 「ミトミ老け込んだの?」
 「ミトミちゃんね。糖尿病や腎臓病になってるみたい。まだ元気だけどね」
 寂しそうに母が言った。

 「えっ?」
 まだ覚悟もしてない。したくない・・・でも、

 今ならわかる。人間も犬も少しずつ歳をとるのではなく 一挙に老け込んだり、病気や災い事は突然に来るのだ。

 もっと頻繁に帰るべきか?でもなんか怖い、そんな思いから逃げるように東京のアパートに戻る。
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