小説「ミトミと私の奮戦記。」◇11歳 恋多き女(雌)?
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◇11歳 恋多き女(雌)?
人間と同じように接しすぎたのか、ミトミは自分のことを人間だと思っている。
更に、私達家族によく似て出不精で「散歩に行こう」と言っても嫌がる。
強引に外へ連れ出しても抱っこじゃないと出ない。
人のように接した上に 甘やかし過ぎた。
自分を人間だと思っているミトミは犬嫌い。
他の犬が近づいてこようものなら
「あンた誰よ。犬の分際でこっち来ないでよ!」
そんな感じでものすごい勢いで、その犬に向かって吠える。
犬嫌いな分、人間の男の人が好きらしい。(犬は飼い主に似ると言うが、なんか複雑)
特に米屋のショウちゃんと洗濯屋のケンちゃん(本名を知らないのでみんなに呼ばれている名称)がお気に入りで、私が見ても確かに二人ともイケメン。生意気なやつ。
ショウちゃんやケンちゃんが近づいてくると、遊んでいても好物を食べていてもそっちのけで(食い気より色気?あれは猫なで声ならぬ犬なで声)喜びの声で
「クウク~ン ワンワン」『ショウちゃん いらっしゃい~♡』
「あ~ミトミちゃん、こんにちは。今日も可愛いね」
なでられ喜び ひとしきり続いた後、注文取りの御用聞きが始まる。
ケンちゃんの時だと
『けんちゃん こっちこっち ミトミはここよ~♡』
「はいはい ミトミちゃん良い子だね」
二人ともミトミのグイグイぶりに
「わかった。わかった」と、
圧倒されつつも優しく応対。
ショウちゃんもケンちゃんもイケメンだけじゃなく、犬だろうが人だろうがとても優しいし、二人とも犬好きらしい。
そんなところもミトミは気に入っているのかも知れない。
その挨拶の仕方は、他の郵便屋さんや父とも違い(相手選ぶンだ。父知ったらショックだろうナ)
尾っぽがち切れるほど振り、腰をくねって色っぽく「クウク~ン♡」の喜び声で鳴く。 色気ムンムン振りまくその姿は なんか見てて恥ずかしい。
『ハイハイ あなたはモテますよ。どうせ私は色気も無いし、モテませんよーダ』
「それにしてもミトミ姉さん、ショウちゃんとケンちゃんとどっちを選ぶの?恋多き女(雌)だね」