「オフィス移転は、必要になったら探せばいい」
そう考えている企業担当者は、かなり多いと思います。
しかし、2026年以降の東京オフィス市場では、
その考え方が通用しなくなる可能性があります。
実際に、森トラストの最新調査では、
2027年〜2028年にかけて“深刻な供給不足”が起きることが
予測されています。
しかも今回の問題は、一時的な市況悪化ではありません。
東京のオフィス市場そのものが、
「空いている物件を選べる時代」から
「条件の良い物件を奪い合う時代」
へ変わろうとしているのです。
■ 「そのうち移転しよう」が危険な時代へ
コロナ後からの東京オフィス市場は、
・多少待てば空室が出る
・条件交渉できる
・複数比較して決められる
こういった環境でした。
しかし、今後は状況が変わります。
森トラストの調査によると、
2026年〜2030年の大規模オフィス供給量は、
過去20年平均より約23%減少。
さらに深刻なのが、
2027年〜2028年の「供給の谷」です。
特に2027年は供給量が大幅に減少し、
市場に新しい選択肢がほとんど出てこなくなる可能性があります。
つまり、「移転したい時に、そもそも空いていない」
そんな状況が現実的になってきています。
■ これから起きるのは“完全な貸主市場”
オフィス市場では、
空室率5%を下回ると貸主優位と言われます。
現在の東京主要エリアは、
すでにその状態に近づいています。
ここに供給不足が重なるとどうなるのか。
当然ですが、
・賃料上昇
・フリーレント縮小
・条件交渉不可
・原状回復条件の強化
こういった流れになります。
つまり企業側は、
「借りる側が選べる時代」ではなくなる可能性が高いのです。
■ 一番苦しくなるのは“中堅企業”
特に影響を受けやすいのが中堅企業です。
理由はシンプルで、
今後の供給が「超大型ビル」に偏っているからです。
最近の新築オフィスは、
・大企業向け
・外資系向け
・大型フロア中心
こういった開発が増えています。
一方で、中規模オフィスの供給は急減。
つまり、「ちょうど良いサイズ」が市場から消えていくのです。
その結果、
・増床したい
・採用強化したい
・移転でブランディングしたい
こう考えても、
条件に合う物件が見つからないケースが増えていきます。
■ 「とりあえず更新」が危険になる可能性も
実際によくあるのが、
「更新時に考えればいい」
という判断です。
しかし供給不足のタイミングで更新を迎えると、
・移転先がない
・今より大幅に賃料が高い
・面積を縮小せざるを得ない
・賃料の値上げ依頼が来る
こういったケースも起こり得ます。
特に2027〜2028年は、
「動きたくても動けない」
企業が増える可能性があります。
■ 今後は“早く動いた会社”が有利になる
これから重要なのは、
「必要になってから探す」ではなく、
“必要になる前に動く”という考え方です。
特に今後は、
・2025〜2026年供給物件を早めに押さえる
・契約期間を戦略的に考える
・郊外移転も含めて比較する
・リノベーション物件も検討する
こういった柔軟な判断が必要になります。
■ 「オフィスは余る時代」という考え方は危険
コロナ以降、「オフィスは不要になる」
「リモートで十分」という話も多くありました。
しかし実際には、
・出社回帰
・採用競争
・ブランディング
・社員満足度向上
こうした理由から、
再びオフィス需要は強くなっています。
特に都心部では、
“良いオフィス”への集中が加速しています。
つまり今後は、「どこでもいい時代」ではなく、
“選ばれるオフィス”だけが残る時代
になっていく可能性があります。
■ 最後に オフィス戦略は「早い判断」が重要になる
今後の東京オフィス市場は、
かなり大きく変わる可能性があります。
特に、
・更新するべきか
・移転するべきか
・今動くべきか
・賃料交渉は可能か
こういった判断は、
以前より難しくなっています。
実際、「もう少し待てば条件が良くなると思っていた」
という企業ほど、後から苦しくなるケースも増えています。
もし、
・移転タイミングに悩んでいる
・今の賃料が適正か知りたい
・今後の市況を踏まえて判断したい
という場合は、
第三者視点で整理することで、
無駄な固定費増加を防げるケースもあります。
早めに情報を集めておくことが、
これからのオフィス戦略ではかなり重要になりそうです。