いつまで続くか物語~№19

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集中力が上がり、会話がくっきり聞こえ始める。

年配の男:今日は何処に泊まるの?
お爺さん:え? ま、まだ決めてない。
年配の男:早く宿とっとかないと泊まられへんで。
年配の女:近くにあるやん。綺麗やし安いし。
年配の男:ほんまやな。そこにしよう。お爺さん、いくらもってんの?
お爺さん:えっ? いくらって……
年配の男:契約してあげられへんから、ポケット探すで。
お爺さん:それワシのカネや。
年配の男:ようさんあるやん。今から契約してくるから、ここで待っといて。ここにおってや。
お爺さん:それワシのカネやぞ……

私は、その一部始終を現認した。
千円札を十枚以上、その場で数えていた。私は小声で無線に流す。

ただ——不安材料もあった。
本当に宿を契約して、お爺さんを泊める可能性がゼロではない。そうなると「窃盗」かどうかの判断が難しい。

年配の男女は笑いながら立ち去った。

私はお爺さんの直近に行き、地面に座らせ、耳元で聞いた。

「お前、カネ取られてないか?」

お爺さんは怯えながら、黙って頷いた。

私はドスの効いた声で言った。

「必ず取り返してやる。バス停の柱にしがみついとけ。おらんくなったら知らんからな」

お爺さんは震えながら柱を抱いた。
私は主任に「被害者確保」を依頼した。似たようなお爺さんが多く、識別が難しい。警察手帳を見せて騒ぎになるのも避けたかった。秘密裡にやる必要があった。

つづく・・・
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