【「すみません…数字って、苦手なんです」】
中堅の販売スタッフ・田中さん(仮名)は、ベテランとして頼られる存在。
お客様からの信頼も厚く、現場の雰囲気づくりも上手。
ただ一つだけ、致命的な課題がありました。
「数値管理がまるでできない」
在庫回転率、粗利率、前年比…
何を言っても「数字って難しいですね…」と困った顔をされるばかり。
でも私は、そのときすぐには叱りませんでした。
なぜなら“数字が苦手”という言葉の裏には、見えない壁があることを知っていたからです。
【数字が苦手な人の「本当の正体」】
数字が苦手な人に共通する傾向、それは:
計算ができないのではなく「数字が何を意味するのか」がわからない
過去に怒られた経験がトラウマになっている
数字と“現場の感覚”がつながっていない
つまり、「数字そのもの」ではなく、数字に対する思い込みや恐怖心がブレーキになっているのです。
【“押しつけない”ことから、教育は始まる】
田中さんには、まずこんな質問をしました。
「売場で『今日は調子がいい』って、何を見て感じる?」
すると彼女はこう答えました。
「お客様が立ち止まる時間が長いときとか、2点買いが増える日ですね」
私はすかさず返します。
「それ、数字で見たら『客単価』『滞在時間』『購買率』って言うんだよ」
その瞬間、田中さんの表情が変わりました。
“数字は自分に関係ないもの”という思い込みが、少し崩れた瞬間でした。
【教えるべきは「数字」ではなく「つながり」】
社員に数字を理解させたいなら、
その数字が“自分の仕事”とどうつながっているかを見せることが大切です。
売上=レジを打った数ではない
粗利=お客様の「ありがとう」の価値でもある
在庫回転率=どれだけ売場が新鮮かの指標
たとえば、「このジャケット、今月あと5枚売れたら次の発注が通るよ」
そんな“現場言語”に変換するだけで、数字がグッと近づいてきます。
【田中さんが「数字を語れる人」になった日】
半年後、田中さんは売場の朝礼でこう言いました。
「今週、客単価が500円下がってるんですよ。セット提案を増やしませんか?」
社員たちは驚きました。
あれほど数字を苦手としていた彼女が、自分から数値を分析し、行動を提案している──。
これは、数字が得意になったのではなく、
「数字は現場とつながっている」と実感できたからこそ起きた変化でした。
【まとめ──数字の教育は“感覚”の翻訳から】
数字が苦手な社員に対して、「これは大事だから覚えなさい」では伝わりません。
まずは、本人が大切にしている感覚や言葉を拾い上げ、それを数字に翻訳すること。
その先に“数字で語れる社員”が育ちます。
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