呼吸に意識を向けるということは、「いまここ」に戻るということです。
この瞬間、未来の不安も、過去の後悔も、罪悪感もいったん消えます。
そうすると、
「嫌な気持ちが出ない代わりに、良い気持ちも出てこないのでは?」
と思うかもしれません。
でも実は、それがとても大事なポイントです。
多くの人は、
嫌な気持ちが出ない状態=何も感じない、つまらない状態
だと思いがちです。瞑想が敬遠される大きな理由かもしれません。
けれど本当は、
嫌な感情も、過剰な高揚感もない、ニュートラルな状態こそが
一番エネルギーが整っている状態です。
呼吸に意識を向けているとき、
心は何かを「どうにかしよう」としていません。
問題を解決しようとも、前向きになろうともしていません。
ただ、生きている感覚だけが残ります。
この状態にいると、
無理にポジティブになろうとしなくても、
気が付いたときには、少しだけ気分が軽くなっています。
そして、その「少しだけ」が積み重なると、
いつの間にか、考え方や現実の受け取り方が変わってきます。
良い気分を作ろうとしなくていい。
嫌な気分を消そうとしなくていい。
ただ呼吸に意識を向けて、
いまここに戻る回数を増やすだけで十分です。
もし、頭がずっと忙しくて、
どうしても思考から抜けられないと感じているなら、
それはあなたの意志が弱いわけでも、努力不足でもありません。
エネルギーの使い方が、少し偏っているだけです。
呼吸や身体感覚を通して、
頭のスイッチをゆるめるサポートが必要なときもあります。
そういうときは、一人で何とかしようとしなくて大丈夫です。
自分では気付きにくい部分を、外から整えることで、
自然と呼吸が深くなり、思考も静まっていきます。
今の自分の状態を少し整えたいと感じたとき、
そういう選択肢もある、ということを
頭の片隅に置いてもらえたら嬉しいです。
琥珀流