私たちは皆、他者と関わって生きています。
ひとりで過ごしている時は穏やかでも、誰かと過ごすことで思いがけない行動をとってしまうこともあると思います。
人間関係でつまずけば、どんな立派な計画も前に進みません。
成功も幸福も、最後は「人」が運んでくるからです。
だからこそ、自分の行動原理がなんなのかを知っておくことが大切です。
知っていても衝動で行動してしまうことはあるでしょう。
でも知っていれば、取り返しはしやすくなります。
人間関係の土台は「自尊心」
自尊心とは、自分自身の価値を認め、大切な存在だと思いたい気持ち。
他人から認められたい、重要視されたいという本能的な欲求です。
これが満たされないと、人は気難しくなり、批判的になります。
「性格に難がある」のではなく、心が満たされていない状態だと捉えるとわかりやすいでしょう。
自尊心が傷ついたとき
自尊心を踏みにじられたと感じると、人は衝動的に反応します。
攻撃・撤退・無視・報復——形は違えど、目的は「自分の価値の回復」です。
ゆえに、相手の自尊心を傷つけないことは人間関係を築くうえで重要なルールです。
破れば余分なコストを払うことになります。
同時に、自分の怒りや悲しみの原因もそこから見つかるかもしれません。
承認で動く人間
自尊心は小さな承認でも、積み重ねで満ちていきます。
「今日の上着、いいね」
「今日の説明、すごくわかりやすかった」
正論を100回述べるより、一度の承認のほうが人を動かす。
人間は理屈ではなく、感情で動くからです。
また、自分自身もそれで動かされたことはないですか。
そんな意図を持って人を動かしたり、動かされたりすることはつまらないとは思いませんか。
素直に認める
他者の価値を認める力は、使っても減らず、費用もかかりません。
だからこそ出し惜しみせず、どんどん使えばいい。
相手の良いところを素直に認めることは、自分の良いところを素直に認めることにもつながります。
自尊心を傷つける行為は、取り返しのつかないこともある
軽い気持ちが、大きな断絶を生むことがあります。
遅刻・ドタキャン・約束の軽視=「あなたは重要でない」というメッセージ。
人前での皮肉や矯正的な注意=公の場で相手の価値を下げる行為。
長年連れ添った夫婦や親子でも、小さな積み重ねで修復不能になることは少なくありません。
自己誇示は不足のサイン
「自分はこれができる」「こんなこともやってきた」——そんな話をつまらなく感じたことはないですか?
あるいは余計な指摘。
それは、自尊心が満たされていない証拠かもしれません。
気をつけないと、自分自身もそうした衝動で動いているかもしれません。
他人は鏡。
他人を使って自尊心を満たそうとする態度は、そのまま表情・声色・姿勢に反映され、返ってきます。
思い返してください。
あなたが一番うれしかった言葉は、どんな言葉でしたか?
あなたが一番傷ついた態度は、どんな態度でしたか?
その答えが、人を動かす行動原理です。
そして同時に、あなた自身を動かす原理でもあります。