埼玉の社会

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コラム
 2021年の埼玉県の公立高校入試について、個人的な見解をまとめています。今回は社会における出題内容と難易度についてです。

●出題内容と配点、難易度
大問1(世界地理)
 問1 三大洋の名称 A(3点)
 問2 州と輸出品目 A(4点) ※資料の読み取り
 問3 地中海性気候について B(5点) ※部分点あり
 問4 世界の農業について B(3点) ※資料の読み取り

大問2(日本地理)
 問1 日本の標準時 A(3点)
 問2 降水量について A(3点)
 問3 農業と工業について A(3点)
 問4 リアス海岸 B(5点) ※部分点あり
 問5 地形図の読み取り A(3点)

大問3(歴史・ペリー前)
 問1 天武天皇 B(3点)
 問2 藤原氏の政治 A(5点)
 問3 室町時代の世界史 C(3点)
 問4 安土桃山時代の文化 A(3点) ※史料問題
 問5 江戸時代の社会や経済 A(3点)

大問4(歴史・ペリー後)
 問1 自由民権運動 B(3点)
 問2 軽工業の産業革命(記述) B(5点) ※資料の読み取り
 問3 第二次世界大戦前後の日本の様子 A(3点)
 問4 戦後の日本経済(ならべかえ) B(3点)
 問5 冷戦 B(3点)

大問5(公民)
 問1 情報化の進展と人権 A(2点)
 問2 国会について A(3点)
 問3 議院内閣制について
  (1)与党 A(2点)
  (2)議院内閣制の説明(記述) B(5点) ※部分点あり
 問4 刑事裁判について A(3点)
 問5 埼玉県の財政について A(3点) ※資料の読み取り

大問6(3分野総合)
 問1(歴史) 江戸時代の文化 B(3点)
 問2(歴史) 原敬について C(3点)
 問3(公民) 東京の昼夜間人口について B(5点) ※部分点あり
 問4(地理) 海上輸送と航空輸送について A(2点)
 問5(公民) インターネットについて A(3点) ※資料の読み取り


●分野ごとの配点と、難易度ごとの配点
地理…10問=34点  歴史…12問=40点  公民…8問=26点
→社会科は学校によって進度や学習する順序が異なるので、学年ごとの区分ではなく分野ごとに分けるとほぼ均等になる。ただ、今年は公民分野の後半である経済内容が出題範囲外となったので、公民の問題数と配点が削られている。
 出題形式は「記号選択」「一問多答」「ならべかえ」「記述」の内容と数は例年通りで、雨温図や地形図、史料問題が1問ずつ出題されたり、資料の読み取り問題が複数出たりと、これも例年通り。

A(必ず正解したい問題)…17問=51点
B(できれば正解したい問題)…11問=43点 
C(少し難しい問題)…2問=6点 
D(捨ててもいい問題)…なし=0点
→理科社会は「知っているかどうか」という知識によるものが多いので、難易度の設定が少ししづらいが、難易度に関してはおおむね例年通りで、ここ数年の埼玉の社会はかなり点数が取りやすくなっているように思える。100点を阻止するような難しい問題もないので、100点を取る人がいても不思議はない。
予想平均点=65点前後


●所見
 制限時間が50分あるので、急いで解く必要はなく、資料の読み取りの問題にじっくり時間をかけて確実に点数を稼ぎたい。
 時間が足りないということはまず考えられないので、問題をよく読んで、記述問題では聞かれたことにちゃんと答えられているか、しっかり吟味するとよい。

 今年は記号選択問題で即決できるもの(適切とわかるもの、不適切とわかるもののどちらとも)が多く、資料の問題もならべかえも記述問題も、どれもよく出る定番の問題ばかりで、受験生にとって「見たことのある問題」が多かったのではないだろうか。
 理科は悪い点数を取らないようにすることが重要で、社会はできる限りの高得点を目指すべきという点に関しては、やはり例年通りの埼玉県の特徴である。

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