埼玉の国語

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コラム
 2021年の埼玉県の公立高校入試について、個人的な見解をまとめています。今回は国語における出題内容と難易度についてです。
 国語の話を横書きの仕様で進めるのは少し違和感がありますが、気にしないでいただけると幸いです。

●出題内容と配点、難易度
大問1(文学的文章の読解)
 問1 心情把握 B(4点)
 問2 内容把握 B(4点)
 問3 状況説明(記述) A(6点) ※部分点あり(五字と九字で書き抜き)
 問4 空欄補充(記述) C(7点) ※部分点あり(四十字以上、五十字以内で書く)
 問5 本文に関する内容一致 B(5点) ※適切でないものを二つ選ぶ

大問2(漢字・文法・語句)
 問1(1)だっこく B(2点)
   (2)じんそく B(2点)
   (3)もよおす B(2点)
   (4)縦断 B(2点)
   (5)易しい B(2点)
 問2 動詞の活用と種類 A(3点)
 問3 助詞の識別 A(3点)
 問4 話し合いの構成
   (1)上手な発表の仕方 A(3点)
   (2)上手に伝える方法 A(3点)
   (3)言葉の知識 A(2点)

大問3(説明的文章の読解)
 問1 適切な説明を選ぶ B(4点)
 問2 適切な説明を選ぶ B(4点)
 問3 内容理解(記述) C(6点) ※部分点あり(二十字以上、三十字以内で書く)
 問4 言い換え(記述) C(5点) ※二十二字で探し、はじめの五字を書き抜き
 問5 内容説明(記述) D(7点) ※部分点あり(四十字以上、五十字以内で書く)

大問4(古文)
 問1 現代仮名遣い A(3点)
 問2 内容理解(記述) B(3点) ※十字以内で書く
 問3 主語の識別 A(3点)
 問4 内容理解 B(3点)

大問5(作文)
ボランティア活動について ※部分点あり 


●分野ごとの配点と、難易度ごとの配点
文章読解…10問=52点  知識…7問=16点  古文…4問=12点 言葉の知識…3問=8点 作文…1問=12点
→出題構成や配点は昨年と同じ。
 出題形式は「記号選択」「記述(書き抜き)」「記述(自分で考える)」などの内容と数は例年通りで、見た目の印象は昨年と何も変わっていない。
 知っていればできる問題が多い理科社会に対し、国語と英語は知識系の問題は少なく、文章読解がメインとなる。

A(必ず正解したい問題)…8問=26点
B(できれば正解したい問題)…11問=37点 
C(少し難しい問題)…3問=18点 
D(捨ててもいい問題)…1問=7点 ※作文は難易度設定なし。よって、88点満点とする。
→同じBでも文章読解と漢字は別物として扱っている(漢字は入試においては当然できなければならないAレベルなのだが、今回はどれもこれも一定数の不正解者が出そうに思えたのでBにした、ということ)。
 CやDにしたものも、時間をまったく気にしなくてもいいのならBやCにしてもいいが、やはり50分の中で解ききることを考えたらなかなかうまくいかないと思われる。
 ただ、これらは部分点が存在するはずなので、早い段階で回答が思いつけば積極的に答えを書くべき。逆に、なんでもかんでも答えを埋めようとして全体的に吟味が甘くなるようだと、本来できるべき問題で不用意なミスを招きかねないので、書き抜きではない自分で考えて記述する問題では、最初から時間をかけずに捨てるつもりでいてもいいかもしれない。
 このあたりは自分の国語の出来具合なり他の教科との兼ね合いで作戦を考える必要があるだろう。

予想平均点=58点


●所見
 制限時間が50分でこれだけの文章量と記述量をこなすとなると、かなりの処理速度が求められる。
 前から順に解いた結果、作文が書ききれなかったという人や、作文を先に書いた結果、2つ目の文章読解(説明的文章)でじっくり読み込めなかったという人は少なくないだろう。
 文章読解の中での記号選択問題は決して簡単とは言えないが、文字量の多い記述で満点を取ることよりも取り組みやすいのは間違いないので、自由記述問題は捨てて記号選択や書き抜きの問題に時間をかけて確実に点数を取りに行く作戦が有効になる人もいるだろう。
 国語の受験対策は「これ」といったものはなく、普段の文章読解の中から記述問題や内容把握をできるだけ素早く解く練習を積んでいくしかなさそう、というのが最終的にいつも行き着く見解なのである。

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