埼玉の理科(2021年)

記事
コラム
 2021年の埼玉県の公立高校入試について、個人的な見解をまとめています。今回は理科における出題内容と難易度についてです。

●出題内容と配点、難易度
大問1(独立小問集合)
 問1 地層(中1) A(3点)
 問2 遺伝と生殖(中3) A(3点)
 問3 気体の性質(中2) A(3点)
 問4 運動とエネルギー(中3) B(3点)
 問5 地球と環境(中3) B(3点)
 問6 植物(中1) A(3点)
 問7 化学変化(中2) B(3点)
 問8 力(中1) A(3点)

大問2(地学) 大地の変化(中2)
 問1 プレートの名前 A(3点)
 問2 プレートの動き A(3点)
 問3 震度 A(3点)
 問4 震源からの距離(記述) B(4点)
 問5 (計算)
  (1) 緊急地震速報を受信するまでの時間 B(3点)
  (2) S波についてのグラフ C(3点)

大問3(生物) 動物(中2)
 問1 人間の筋肉 B(4点)
 問2 うでが動く仕組み(記述) C(4点)
 問3 てこのはたらき(計算) C(4点) ※力の計算は中1内容
 問4 相同器官 A(4点)
 問5 骨格 B(3点)

大問4(化学) 電池(中3)
 問1 オルゴールの仕組み B(3点)
 問2 電池の仕組み A(3点)
 問3 備長炭電池の仕組み(記述) D(6点)
 問4 アルカリ性を示すイオン A(3点)
 問5 燃料電池の仕組み B(4点)

大問5(物理) 電流(中2)
 問1 回路図(記述) B(3点)
 問2 電力の大きさ(計算) A(3点)
 問3 オームの法則について A(3点)
 問4 熱量(計算) D(4点)
 問5 電源タップについて
   (1) 回路について C(3点)
   (2) 使用上の注意(記述) C(3点)


●学年ごとの配点と、難易度ごとの配点
中1…4問=13点  中2…18問=59点  中3…8問=28点
→こうして見ると中2内容に偏っているが、毎年こうなっているというわけではない。むしろ、大問3であるように、学年や分野を大きくまたいで出題される形式は、これまでの埼玉の理科ではあまり見られなかったので、次年度以降は要警戒。

A(必ず正解したい問題)…13問=40点
B(できれば正解したい問題)…10問=33点 ☆ここでミスしないようにしたい
C(少し難しい問題)…5問=17点 ★ここが合否を分ける問題
D(できなくてもいい問題)…2問=10点 
→理科社会は「知っているかどうか」という知識によるものが多いので、難易度の設定が少ししづらいが、難易度に関してはおおむね例年通りか。100点を阻止するような難しい問題がいくつか混ざってくるのも例年通りなので、取るべきところをしっかり取って高得点を目指したい。
予想平均点=52点前後


●所見
 制限時間が50分あるので、急いで解く必要はないが、計算問題に時間をかけるのなら、知識系の問題をいかに効率よく片付けるかがポイントとなる。
 ただ、難しい計算問題は実際問題なかなか思うように点数が取りにくいので、そこは無視して時間をじっくり使ってもったいないミスをなくすようにすることのほうが重要だと思われる。

 最難関の学校を狙うのなら90点以上、中堅校なら75点前後が欲しいが、理科は問題によって得点がぶれやすい傾向があるので、下手を打つと50点を下回る場合もおおいにありうる。
 理科が原因で合格できなかったというケースは珍しくなく、中途半端な知識では安定した点数が見込めないのが埼玉の理科の特徴である。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す