「もっと寝なきゃ」と焦ってしまう気持ちは、とてもよく分かります。ただ、睡眠時間にこだわりすぎると、逆に眠れなくなるケースが意外と多いです。
まず前提として、日頃から睡眠不足が続いている人と、寝つきにくさや中途覚醒がある人とでは、必要なアプローチが変わってきます。成人の多くは6時間以上の睡眠が必要とされているため、まずは最低ラインとして“6時間を確保すること”が大切です。
■ 布団にいる時間を延ばすほど、眠れない時間も増えてしまう
気をつけたいのは、寝つきが悪い人や途中で起きてしまう人ほど、寝る時間を確保するために「早く布団に入ろう」など臥床時間(布団にいる時間)をもっと増やそうと考えてしまう点です。
例えば、本来7時間眠れば十分な人が、
・寝つくまでに1時間かかる
・夜中に30分起きる
という理由で、「じゃあ8時間半くらいは確保しないと」と、必要以上に布団にいようとしてしまうケースがあります。
しかし、布団にいる時間を無理に引き延ばすほど、“眠れていない時間”が増え、かえって眠れなくなることが多いです。もちろん、本当に睡眠不足が蓄積していて8時間半眠れてしまう人なら問題ありません。ただ、「寝なきゃ」と力むほど眠れなくなるのは自然な反応です。
■ 大谷翔平選手の睡眠時間をそのまま真似してもうまくいかない理由
「大谷翔平は10〜11時間寝ているらしいし、自分ももっと寝ないと…」そう思う人もいますが、これは半分正解で半分間違いです。
大谷選手のように、身体に強い負荷がかかる生活をしている人は、長時間の睡眠が合理的です。一方、一般的な生活をしている多くの人は、身体的にはそこまで疲れていません。現代人は「頭の疲労が多いのに、身体はそこまで疲れていない」ことがよくあります。
この状態で「今日から8時間寝よう!」と頑張っても、そんなに眠れないのは当然です。結果として、
眠くないのに寝ようとする → 眠れない → 焦る → さらに眠れない
という悪循環が生まれやすくなります。
■ 睡眠時間がバラバラだと、寝ても疲れが抜けにくい
もう一つ注意したいのが、睡眠の規則性です。どれだけ長く寝たつもりでも、寝る・起きる時間がバラバラだと、疲れが取れない・寝た気がしない、という状態につながりやすくなります。
■ 対策:起きる時間を固定することがいちばん効く
まず最初に取り組んでほしいのは、起きる時間を一定にすることです。ここがぶれると体内時計が乱れ、睡眠時間だけ整えても疲れが抜けにくくなります。
起きる時間が決まったら、そこから必要な睡眠時間を逆算して寝る時間を設定します。ただし、眠くないのに、早く寝ようと頑張らないこと。
これはとても重要です。
不眠が続いている場合、「睡眠制限法」と呼ばれる方法が効果的なことがあります。これは布団で過ごす時間(臥床時間)をあえて短くすることで、眠れる時間を整えるアプローチです。
ここでは詳細の解説は省きますが、「長く寝ようとするほど眠れなくなる」という方には、向いているケースがあります。
■ まとめ
睡眠時間はもちろん大切ですが、「長く寝よう」と意識しすぎると、かえって眠れなくなることがあります。また、眠る時間もですが、「起きる時間」を整えることが、改善の第一歩になります。
もし「頑張っても眠れない」「寝ようとするほどつらい」という状況が続いている場合は、時間の使い方や布団にいる時間を見直すことで、睡眠がぐっと楽になることが多いです。