ホームページ制作をする時に、クライアントに何を聞けばいい?「作れる状態」になるために聞くこと

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「クライアントとの打ち合わせ、何を話せばいいかわからなくて…」

制作を始めたばかりの方からよく相談をもらいます。わかります、その感覚。私も最初のころは「とにかく要望を聞かなきゃ」と焦って、あとで「あの情報も聞いておけばよかった」と後悔することが何度もありました。

ヒアリングって、慣れるまでは本当に難しい。でも聞くべきことのフレームさえ持っておけば、ぐっとラクになります。この記事では、WEB制作のプロとして「この情報が全部揃えば制作に入れる」と自信を持って言えるヒアリング項目を、まるごとお伝えします。

まず「目的」を理解することが全ての起点

ヒアリングで最初にやるべきことは、「どんなホームページを作りたいか」を聞くことではありません。「なぜホームページを作りたいのか」を理解することです。

たとえば「新しいホームページを作りたい」という依頼でも、裏側にある目的はまったく違うことがあります。「今のお客さんに信頼感を伝えたい」のか、「新規のお客さんを集めたい」のか、「採用に使いたい」のか。目的が変わると、作るべきページの内容も構成も変わってきます。

最初の一言は「ホームページを作ることで、どんな変化を期待していますか?」くらいのニュアンスで聞いてみてください。クライアントが本当に解決したいことが見えてきます。

聞いておくべきこと① 事業内容・強み・理念

目的が見えてきたら、次は「その会社が何者か」を深く理解することです。ここが抜けると、どれだけデザインが綺麗でも、中身のないホームページになってしまいます。
まず事業内容を確認します。「どんなサービスや商品を提供していますか?」という基本的な問いから入りつつ、「その中で一番力を入れているのはどれですか?」と絞り込んでいきます。

次に強みを掘り下げます。「競合他社と比べて、御社ならではの強みはどこだと思いますか?」と聞くと、クライアント自身が言語化できていないケースも多い。そういうときは「お客さんからよく褒められることはありますか?」「他のところではなく、御社を選んでもらえる理由は何だと思いますか?」と角度を変えて聞いてみてください。自分たちの強みって、近すぎて見えなくなっていることがよくあります。

そして会社の理念や想いも必ず聞きます。「どんな思いでこの事業をやっていますか?」「大切にしていることや、譲れない価値観はありますか?」。ここが出てくると、キャッチコピーやサイト全体のトーンに一本筋が通ります。創業のストーリーや代表の背景があれば、それも聞いておくと「About」ページが断然書きやすくなります。

聞いておくべきこと② ターゲットは誰か

事業の中身が見えてきたら、次は「誰に届けるか」を確認します。
「どんなお客さんに来てほしいですか?」「今のメインのお客さんはどんな方ですか?」という形で聞くと答えやすい。年齢層、職業、地域、どんな悩みを抱えているか。このあたりが具体的になればなるほど、デザインや文章の方向性が決まってきます。

私が以前担当したある美容室のケースでは、「20〜30代の女性がメインです」と教えてもらった後にさらに「どんな雰囲気が好きな方が多いですか?」と聞いたところ、「ナチュラルでおしゃれ、でも派手すぎない感じ」というキーワードが出てきました。それがそのままデザインの軸になりました。ターゲットを深掘りするほど、デザインの選択肢が絞られていく感覚があります。

聞いておくべきこと③ デザインの方向性とブランドイメージ

ここが、制作者とクライアントの間でズレが生まれやすい部分です。
「ポップな感じで」「スタイリッシュに」「シンプルに」といったテイストワードはよく出てきますが、これらは人によって解釈がバラバラです。「スタイリッシュ」といっても、モノトーンでミニマルな感じをイメージする人もいれば、ラグジュアリー系の重厚感を思い浮かべる人もいる。「ポップ」だって、カラフルで元気な感じの人もいれば、韓国系のトレンド感をイメージしている人もいます。
だからテイストワードをそのまま受け取るのは危険で、必ず具体的なものに落とし込む必要があります。

一番確実なのは、参考サイトを見せてもらうことです。「好きなホームページや、雰囲気が近いと思うサイトはありますか?業種は違っていてもかまいません」と聞いてみてください。URLをもらったら「どのあたりが好きですか?色ですか?雰囲気ですか?構成ですか?」と必ず深掘りします。

あわせて「こういう雰囲気は絶対避けたい、というものはありますか?」と嫌いなデザインも聞いておくといい。好きなものより、嫌いなものを聞くほうがかえって解像度が上がることがあります。

ブランドまわりの確認も忘れずに。すでにロゴやブランドカラーがある場合は、ホームページにも踏襲するのか、今回合わせて整えるのかを確認します。会社案内やパンフレットなど既存の印刷物があれば、見せてもらうと世界観の参考になります。

聞いておくべきこと④ 掲載するコンテンツの確認

ここで確認しておかないと、後で制作が止まります。
「会社概要・サービス内容・お問い合わせ、このあたりは必要ですか?」という形でページ構成を一緒に考えていくのが自然です。その際に「テキストや写真はご用意いただけますか?それとも制作側でサポートが必要ですか?」も必ず確認を。
写真素材がない場合、フリー素材を使うのか、撮影をするのか、そもそも撮影が必要ならその費用感も変わってきます。会社案内やパンフレットなどの既存資料があれば、コンテンツの原案として使えることも多いので「何か紙の資料はありますか?」と聞いておくと助かります。

コンテンツまわりのすり合わせを後回しにすると、「原稿がなかなかもらえない」「途中で内容が大幅に変わった」という事態につながりやすいです。経験上、これが原因でスケジュールが延びることが一番多い。

聞いておくべきこと⑤ スケジュールと予算

正直、ここが一番聞きにくいと感じる方が多いと思います。でも、ここを曖昧にしたまま進めると後々お互いに困ることになります。

「いつごろ公開したいというイメージはありますか?」とスケジュール感から入ると聞きやすいです。「3か月後にイベントがあるので、それまでに」という答えが返ってくると、逆算でスケジュールを組みやすくなります。締め切りがある場合は、その理由も聞いておくと優先度の判断がしやすい。

予算については「おおよそのご予算はお伺いできますか?金額に合わせてご提案の幅が変わってきますので」という形で聞くのが自然かなと思っています。最初は答えを濁されることもありますが、こちらから「〇〇万円前後をイメージしていただいているお客様が多いです」とレンジを示すと話が進みやすくなります。

聞いておくべきこと⑥ 公開後の運用について

これ、意外と忘れがちなのですが、「公開後の更新はどうするか」も確認しておくと後悔が減ります。
「公開後、定期的に内容を更新したいというご希望はありますか?」と聞いてみてください。更新するなら、クライアント自身が操作できるCMSが必要かもしれない。更新を任せてもらえるなら、保守・運用の契約につながるかもしれない。

公開したあとの話までちゃんと考えてあげられると、クライアントからの信頼感が全然違います。「この人はただ作るだけじゃなくて、うちのことを長く考えてくれている」という印象になりますから。

打ち合わせ前に使えるヒアリングチェックリスト

ここまで紹介してきた内容を、チェックリストにまとめました。打ち合わせ前に印刷して手元に置いておくと、聞き忘れを防げます。全部埋まれば、自信を持って制作に入れる状態です。

1. 目的・ゴール
■ ホームページを作ろうと思ったきっかけは何か
■ ホームページで一番達成したいことは何か
■ 成功とはどんな状態か(問い合わせが増える・信頼感が伝わる・採用につながる など)
■ 今のホームページがある場合、何が不満で作り直したいのか
■ 公開後、どんな変化を期待しているか

2. 事業内容・強み・理念
■ どんなサービス・商品を提供しているか
■ 提供しているサービス・商品の中で、特に力を入れているものは何か
■ お客さんが抱えている悩みや課題は何か
■ その悩みに対して、どんな解決策を提供しているか
■ 競合他社と比べたときの強み・差別化ポイントは何か
■ お客さんからよく褒められること・感謝されることは何か
■ 他のところではなく、自社を選んでもらえる理由は何か
■ 会社として大切にしている理念・価値観は何か
■ 代表がこの事業をはじめた想いやストーリーはあるか
■ 会社の歴史・実績・受賞歴など、信頼につながる情報はあるか

3. ターゲット
■ メインのお客さんはどんな人か(年齢・性別・職業・地域)
■ 既存のお客さんと新規のお客さん、どちらを重視するか
■ お客さんがホームページを見つける前に、どんなことで悩んでいるか
■ お客さんがよく使う検索キーワードや、調べ方に心あたりはあるか
■ 来てほしくないお客さん・避けたいケースはあるか

4. デザイン・ブランドイメージ
■ 好きな雰囲気のサイトはあるか(URLをもらう)
■ そのサイトのどのあたりが好きか(色・雰囲気・構成・フォント など)
■ 絶対に避けたいデザインの雰囲気はあるか
■ デザインの方向性(明るい・落ち着いた、どちら寄りか)
■ デザインの方向性(やわらかい・キリッとした、どちら寄りか)
■ デザインの方向性(シンプル・情報量多め、どちら寄りか)
■ デザインの方向性(かわいい・かっこいい、どちら寄りか)
■ 既存のロゴはあるか(データ形式・解像度も確認)
■ 既存のブランドカラーはあるか(カラーコードも確認)
■ 使用するフォントに指定・こだわりはあるか
■ 会社案内・パンフレット・名刺など既存の印刷物はあるか
■ 競合他社のサイトは把握しているか(差別化したい点はあるか)

5. コンテンツ・素材
■ 必要なページはどれか(トップ・会社概要・サービス・料金・ブログ・お問い合わせ など)
■ 各ページのテキスト原稿は自社で用意できるか、サポートが必要か
■ 写真素材はあるか(会社・スタッフ・商品・施工例 など)
■ 写真が足りない場合、撮影するか・フリー素材を使うか
■ 動画素材はあるか・必要か
■ 会社案内・パンフレットなど参考にできる既存資料はあるか
■ SNSアカウントはあるか(連携・埋め込みの要否)
■ Googleマップや地図の掲載は必要か
■ お客さんの声・実績・事例の掲載は可能か

6. スケジュール・予算
■ 公開希望の時期はいつか
■ その時期に理由・締め切りはあるか(イベント・季節・繁忙期 など)
■ おおよその予算はどのくらいか
■ 予算に含めたいもの・含めなくていいものはあるか(撮影・ライティング・SEO対策 など)
■ ドメインは取得済みか・新規取得が必要か
■ サーバーは契約済みか・新規契約が必要か

7. 公開後の運用
■ 公開後、自社で内容を更新したいか
■ 更新を担当するのは誰か(PCスキルの確認も)
■ CMS(更新システム)は必要か
■ ブログや新着情報の更新頻度はどのくらいを想定しているか
■ 公開後の保守・運用サポートは必要か
■ アクセス解析(Google Analytics など)の設置は必要か
■ SEO対策・広告運用のサポートは必要か

まとめ

ヒアリングで集めるべき情報を整理すると、こういう流れになります。
「なぜ作るか(目的)」→「何をしている会社か(事業・強み・理念)」→「誰に届けるか(ターゲット)」→「どんな見た目にするか(デザイン・ブランド)」→「何を載せるか(コンテンツ)」→「いつまでに・いくらで・その後は(条件・運用)」
この6つが揃えば、自信を持って制作に入れる状態になります。最初はメモに書き出して打ち合わせに臨んでみてください。慣れてくると自然と頭の中で整理できるようになります。

私が一番伝えたいのは、ヒアリングは「情報を集める作業」じゃないということです。クライアントが自分でもうまく言語化できていない想いや強みを、一緒に引き出していく時間だと思っています。そこに丁寧に向き合える制作者が、本当に信頼される人になれると思っています。
もし「ヒアリングから一緒に考えてほしい」「どこから手をつければいいかわからない」という方がいれば、お気軽にご相談ください。あなたの事業の強みや想いをしっかり聞いた上で、一緒にホームページを作り上げていきます。


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