勇敢な戦士たち

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私は2か月に1度、発達障がいのあるお子さんを養育されているご家族の会を主宰しています。開催時間は2時間で、最初の30分は話題提供、残りの1時間30分はご家族同士の分かち合いをしています。

先日も家族会をしました。テーマは「小学校へあがるまでに準備しておきたいこと」です。

お子さんの発達の遅れを指摘されるのは、1才半や3才半の時に行われる健診であったり、保育園や幼稚園に在園中であったりすることがほとんどです。お子さんが小さい時に、「あなたのお子さんは発達の遅れがあるかもしれません」と、親にとっては重大な宣告を受けることになります。

発達に遅れがあるということは、みんなと同じように発達していかないということと解釈されることが多いのが事実です。つまり、自分の子どもは普通ではないのかもしれない・・・という親の葛藤がそこから始まるのです。障がいがあるということ=普通であることの喪失であると捉えられる傾向があり、普通に産んであげられなか親の自責感から、自分がこの子を何とかしなければという戦いの火蓋が切って落とされる瞬間でもあります。

家族会に参加されるお母さんたちは、お話をしながら涙を流されることもあります。戦いの途中で、周囲の無理解によって、心がボロボロに傷つき、家族会にやっていらっしゃるのです。小学校へあがる前に準備される資料に子どものネガティブな側面ばかりが列記されていたり、学童保育では障がい児は預かれませんと言われたり、私立の幼稚園では教育方針に合いませんと入園を断られたりと、ことごとく戦いで傷を負われます。

あるお母さんは、子どもが保育園の年中の時にはうつ的な状態になって、何もする気になれなかったけれど、年長になって小学校への入学が視野に入った時には、何とかしなければと再度立ち上がったとおっしゃっていました。

2か月に1度の家族会は、このような勇敢な戦士たちの集まりなのかもしれません。

勇敢な戦士たちは、泣いたり、笑ったり、怒ったりしながら、この2時間を過ごします。私はそこでファシリテーターをしているのですが、少しでも戦士たちの傷が癒されるように心を配り、また戦場に送り出す役割なのだろうと思っています。先日も戦士たちは「あ~スッキリした~。でも2か月もつかな~」と笑いながら帰って行かれました。心から戦士たちの無事を祈り、2か月後の再会を心待ちにしたいと思います。

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