怒りのコントロール

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「もうホントに腹が立ちます」とため息をつきながら何度も繰り返すクライエントの方がいらっしゃいました。その言葉を聞くと、私の母を思い出します。母はよく「そしたら腹を横にしたらええ」と笑いながら言っていました。母自身腹を立てることもありましたから、その時は母に「腹を横にしたら?」と返していました。クライエントの方にそんなことは言えませんが・・・。

昔は感情の根源がお腹にあると言われていました。腹を据える、腹が煮える、腹の皮がよじれる、腹を抱える、腹を探る、腹を見透かす、腹を読むなどの言葉から、お腹に感情の根源があったことが伺えます。腹が立つというのは、感情が立つ(激する)ということで、怒りの感情を意味します。

怒りとは、自分自身の気持ちや身体を、物理的や社会的に攻撃されたり、侵害されたと感じた時に生じるネガティブな感情です。この怒りの感情は、ある日突然出現するものではなく、日々の小さな感情の積み重ねがもたらす感情です。なので、怒りは二次感情だと言われています。その原因(一次感情)として、不安感やストレス、孤独感、プレッシャーなどの小さな積み重ねが考えられます。小さなストレスが積み重なって肥大化している時、何らかの起爆剤を投入されることによって負の感情が大爆発します。それが怒りなのです。

怒りに振り回されやすい人の特徴として、ゆずれない価値観=べき思考が強い、そして、つらい、悲しい、不安などの感情がたまっているなどがあります。ですから、怒りの裏側に何があるのか、何に対しての怒りなのか、本来わかってほしい感情が何なのかを探る必要があります。まさに腹を探るのです。

怒りというのは、人間関係を壊していくというリスクがありますから、できるだけ怒りをコントロールすることが大切になります。「アンガー・マネジメント」という言葉がありますが、まさにいかに怒りをマネジメントすることができるかが、人間関係をうまくやっていけるかどうかに影響してきます。

それでは、いくつか怒りへの対処法をご紹介したいと思います。まずは、怒りの感情が湧き出てきたら10数えましょう。怒りを覚えた時にはアドレナリンが4~7秒出続けると言われていますが、この放出は自分ではコントロールができません。ですから、それが出終わるまで10数えて待ってみましょう。もしくは魔法の呪文をゆっくり唱えてみます。「私は女神さま。だから心が広いのよ。大丈夫、大丈夫」そうしたら7秒は稼げます(笑)。

他には、深呼吸をしたり、思考をストップしたり、その場を離れたり、楽しい場面を想像したり、水を飲んだり、顔を洗ったり、目の前の物に集中したりと、自分に合った方法で怒りを逃していきます。落ち着いたら自分の怒りを点数化して、客観的に眺めてみます。感情を理性で振り返るのです。そして、問題を解決する時には自分を主張しながら、相手の主張も聞いて、折り合いをつけていきます。でも、問題が解決しない時にはその問題を脇に置いて先へ進むことも時には必要ですね。写真の水面のように今日も穏やかに過ごしましょう。

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