古いPCをアップグレードするには?

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古いPCをアップグレードするには?

開発に利用する PC に関連した投稿を何回かお届けしてきましたが、今日は古い PC の活用術を紹介します。

技術の進歩で PC の性能は年々向上しています。数年経つと古い PC は最新のものと比べると性能の差が大きくなってきます。

そこで古い PC をアップグレードして快適に開発ができるようにする方法を紹介します。

CPU の性能は変えられない!
アップグレードと行っても基本的に CPU の性能を変更するのは事実上難しいです。 デスクトップの PC の場合は、チップのピン配置が同じのより高性能の CPU を買ってきて差し替えれば性能アップは可能です。しかし、現実的には購入から数年経った PC で、差し替え可能な CPU は手に入りづらくなりますし、価格も高価な場合が多くなります。そう考えると、アップグレードするより新しい PC を買った方が良い場合が殆どです。

ノート型の PC の場合は CPU の差し替えはできないモデルが殆どなので CPU を変えるオプションは基本的にありません。

何を変えるか?
PC の性能は CPU が重要と考えている人がたくさんいらっしゃいます。実際、「データの処理性能」を考えると、CPU の影響は大きいです。しかし、実際に PC を使っていて CPU の差が実感されるケースは、大きなデータの処理、例えば、ビデオの編集や高解像度の写真の編集などを行う場合などです。

普通に使っていて、PC が速いか遅いかは、アプリが速く立ち上がるとか、Web ページの読み込みや切り替えが速い場合に実感できる場合の方が多くなります。このような、ディスク(ストレージ)やネットワークのスピードの方が「速さ」を体感しやすいので、PC が速くなったように感じます。専門的な言葉で言うと「IO(入出力)スピード」などと呼ばれています。

この IO スピードを改善すると、PC が速くなったように感じられるようになります。そこで、古い PC のアップグレードは IO スピードの改善を中心に行います。

SSD を使うことでアプリや OS の起動をスピードアップ!
特に、この5〜6 年は PC のストレージがハードディスクドライブから SSD へ置き換わっているので古い PC はハードディスクドライブを使っているモデルがたくさんあります。 最近は、SSD のドライブも1万円前後で500 GB から1 TB の SSD が入手できるようになりました。ハードディスクドライブを SSD に置き換えるとアプリや OS のデータのアクセススピードが劇的に速くなるのでアプリや OS の起動が速くなります。 アクセススピードの差は、アクセスの仕方によって異なりますが、最大では50倍から100倍程度速くなる場合もあります。SSD の場合アクセス速度はアクセスの仕方に余り影響を受けませんが、ハードディスクドライブの場合、連続のデータのアクセスとランダムのデータアクセスでは大きな違いがあります。

注意することは?
最近の PC はブートドライブに使う SSD は「M.2」と呼ばれるメモリボードのようなモジュールを採用しているものが多くなっていますが、少し前の PC はハードディスクドライブから起動していたので、この基板タイプの M.2 は使えません。

購入する際は、「2.5インチのハードディスクドライブ」と同じ形状、大きさの SSD を選ぶ必要があります。

もう一つは、この SSD への置き換えの場合、OS(Windows など)を入れ直した方が効果が大きいので OS を再インストールする必要があります。最近の PC は OS があらかじめインストールされている場合が殆どなので、OS の再インストールが一つの課題になります。

OS のインストールを行うのが難しい場合は、このアップグレードはちょっと難しくなります。

もう一つは、再インストールの前に Windows の場合は、プロダクトキーの情報を調べておかないと再インストールの際に必要になる場合があります。モデルによっては、プロダクトキーがハードウエアに保存されている場合があって、その場合は再インストールの際に入力しないでもアクティベートできますが、そうでない場合はプロダクトキーが必要になるので注意が必要です。

最近は、このアクティベーションのポリシーが変わったようで、Microsoft アカウントを利用していれば、プロダクトキーなしでもアクティベートできるようですが、この辺りは変更も多いのでプロダクトキーの情報を準備した方が無難です。

最後に最大の問題は、ラップトップ(ノートブック型)の場合、ハードディスクドライブを交換するために、「分解」しなければならないモデルがあります。モデルによっては、ハードディスクを取り出す「窓」がついているものもあります。この場合は比較的簡単に交換できますが、最近のモデルは完全に裏蓋を開ける必要があるため分解のハードルは高くなっています。

分解の仕方は、インターネットを検索するとメジャーな PC の場合は YouTube ビデオなどもあリます。そうした情報を参考にして分解されるのが良いかと思います。

ネットワークのスピードの改善
ネットワークのスピードも体感しやすい指標の一つです。 特に、WiFi 技術は年々進歩していて、5 年前と最新の規格ではネットワークのスピードは大きな差があります。

ネットワークのスピードを改善するには、最新のネットワークアダプタを接続して使えばスピードアップが可能です。こちらは、既存の OS のままハードウエアの追加だけで可能なので、ハードディスクドライブを置き換えるよりは手軽にできます。

ノートブック型の場合は、USB のアダプタになると思います。デスクトップの場合は、USB のアダプタか PCI Express のカードを追加するような形になります。

ハードウエアを追加すると、ドライバソフトウエアのインストールが必要な場合が多く、追加したアダプタの指示に従ってドライバーをインストールします。

メモリの増設は?
メモリの増設は状況によります。 処理するデータが大きい場合は効果がありますが、別の記事にも書いていますが、大抵の処理は8 GB のメモリがあれば OS が上手くマネージできるようです。

デスクトップの場合は追加が簡単なので、やすくメモリモジュール(DIMM)が手に入る場合は検討しても良いと思いますが、ハーディディスクドライブの SSD への置き換えや、WiFi スピードの改善に比べると効果は余り期待できない場合が多くなります。

ラップトップ(ノート型)の場合は、ハードディスク同様に増設や置き換えに分解を伴う場合も多いので、効果を考えると余りお勧めはしません。

OS のアップデート
ハードディスクドライブを SSD に置き換える場合は、OS をアップデートした方が良いと書いていますが、単に OS を最新版にするだけでも効果があると言えます。M1 Mac を購入してメモリ使用量のストレステストを行ってわかったことですが、古い OS に比べると、メモリの使用容量が上がっても性能(処理時間)への影響は限定的になっているようです。

OS のメモリ管理が改善されて、有効なメモリを上手に使うように改善されているようです。

そう考えると、単に OS をアップデートするだけでも、性能が向上する場合が多くなります。

特に、PC は長年使っていると一時的なファイルなど不要なファイルが増えたりして、性能低下の原因になる場合もあるので、機会があれば、必要なファイルをバックアップして、OS を最初から入れ直すだけでも、OS やアプリの動作が改善される場合も結構多くなっています。

まとめ
古い PC でも、ちょっとしたハードウエアを変更したり、OS をアップデート、入れ替えるだけでもアプリや OS の動作が改善されるケースはたくさんあります。

特に、ハードディスクドライブを使った PC の場合 SSD に置き換えるだけで、性能が上がったように感じられます。OS の入れ替えやドライブの交換が面倒な場合もありますが、効果は大きいです。

ただし、実際のデータの処理能力自体は CPU に依存する部分が大きいので、データの処理能力は通常は変わりません。それでも、処理時間の多くがデータの読み書きに当てられている場合には、ディスクアクセスが向上すると全体の処理時間が改善されるので、ストレージやネットワークのアダプタを追加したり、入れ替えるのは効果が期待できます。

ラップトップ(ノート型)の場合、ドライブの交換やメモリの交換は面倒な分解が必要なことも多くその場合は、自分でできるかどうかインターネットなどで調べることをお勧めします。
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