『個別の授業で面と向かっては言いにくい話をコラムにしています。ですのでタイトルも「ひとり言」。日々の指導で気づいたあれこれを綴ります。』
英語の文字はアルファベット。大文字と小文字を合わせても、わずか52文字に過ぎません。
一方日本語はと言えば、ひらがなだけで46文字。カタカナを合わせたらアルファベットの倍近いうえ、漢字という膨大な数の文字が控えています。
漢字は全部で何個覚えればいいんでしょうか?
文化庁のホームページで調べたところ、世の中で実際に使われている漢字のじつに96%が常用漢字だそう。
全部で2136字あり、その約半数の1006字を中学卒業までに使いこなせるようになる必要があります。
英語のアルファベットに比べると、とてつもない数なのがおわかりでしょう。
中学受験では国語の論説文などやたら高度なものを読まされますし、物語文でも戦時中の話などでは難しい漢字や熟語がけっこう出てきます。
ふりがなが振ってあることが多いものの、意味がわからない熟語がいくつも出てくると不安になるもの。
しかしたとえば大人だって、新聞紙面に使われている熟語の意味をすべて正確に把握しながら読んでいるわけではありません。
「だいたいこういう意味だろう」と前後の文脈で考えて、おおよその意味を推測しながら読んでいて、それで実際まったく問題ないわけです。
文章の中に読めない熟語や意味の取りにくい漢字があっても、文脈でカバーできればOK。
人名や地名などはなおさら。どう読もうが読解に影響はありませんから、「こう読む」と自分で決めて対処すれば大丈夫です。
ちなみに「覚える文字の数が少ない英語圏の小学生はいいな~」と思ったそこのキミ!
未学習の漢字が壁になって、小さい子に難しい本は読ませにくい日本と違って、英語圏の小学生たちは、
──はい、もう文字は全部覚えたんだから、難しい本だって読めるわよね。
と難解な本もどんどん読むよう求められると聞いたことがあります。
日本語だろうが英語だろうが、小学生の勉強はたいへんなんです!