国語講師のひとり言「君はハロー効果を知っているか?」

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『個別の授業で面と向かっては言いにくい話をコラムにしています。ですのでタイトルも「ひとり言」。日々の指導で気づいたあれこれを綴ります。』
※今回のトップ絵は、ChatGPT4.0による生成イラストです。画像の著作権は私ひらめきに属します。※

返却された国語の答案を見せてもらうと、読みづらい字で書かれているケースがしばしばあります。

字が薄かったり、マス目に対して小さすぎたり、やたらひらがなばかりだったり、読点が1つも使われていなかったり…。

時間制限が厳しいテストであるのは重々わかっていますが、やはり採点者に読みやすいよう、ていねいな字を心がけたいものですね。

ところで"ハロー効果"をご存じでしょうか?

英語の"halo effec"を訳した言葉で、もともとは社会心理学の用語です。

"halo"は、日本語で「後光が差す」と言うときの「後光」にあたる言葉。

ものすごくベタに言うなら、"目くらまし効果"とでもなるでしょうか。

最近はルッキズムの指摘がようやく出てきて、次に挙げる事例はすでにあまり好ましいものではなくなりつつありますが、

ファミレスでランチを運んできたウエイトレスの女の子がすごくかわいくて、それだけで今日はなんだか得した気分になった。

こんなのはハロー効果が発動している典型例。

料理を運んできた女性の容姿は、サービスの質とは本来まったく無関係ですが、にもかかわらず似たような経験は誰しも日常茶飯事でしょう。

プラスの後光もあればマイナスの後光もありますが、ようするに対象が持つ何か1つの属性に引っ張られて、全体の評価までもが左右される現象です。

一体私は何が言いたいのでしょうか?

授業では「字の上手い・下手ではない。ていねいに書けばいいんだよ」と指導しています。

しかしハロー効果の少なくない影響を考えれば、答案に書く字はきれいでていねいならなお良いわけです。

字がきれいなことと、記述答案の内容の良し悪しは、もちろんまったく関係ありません。

しかしすべては人間がやることですから、きれいな字でていねいに書かれた答案は、汚い字で雑に書かれた答案よりは好印象には違いないはず。

1点の差が勝負を分けるシビアな入学試験ですから、自分に有利なことは、どんなささいなことでも採り入れるべきではないでしょうか。

ちなみに私は、子どもの頃習字を習っていた関係で、字はかなり上手です。

筆記試験で一度も落ちたことがないのですが、もしかしたら1%ぐらいは、ハロー効果のおかげだったのかもしれません。

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