就業規則ってなんのためにあるの?

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ビジネス・マーケティング

就業規則とは、会社で働く人たちのルールを定めたものです。
組織には必ずルールが必要です。そのルールを文書にして明確にしたものが就業規則になります。
つっこんで説明すると、上司の「この会社は~~だから」という言葉も、就業規則に定められていなければただの個人的な思考か、パワハラです。
ルールはみんなに明示されて決められているから、ルールになるのです。

就業規則って意味あるの?法的拘束力について

就業規則に法的拘束力(法的な意味合い・裁判での有効性)はあります。
ただし、法的な拘束力には優先順位があります。(下図参照)
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例えば、法律(労働基準法)に残業代の支払いが書いてあるのに、就業規則で「払わない」とすることは出来ないということ。
だから、「うちに有給休暇とか無いから!」なんて言う人はそもそも頭がおかしいってことです。

就業規則の全体構成

就業規則は下記の感じで構成されていることが多いです。
就業規則を決めている理由(前文や企業理念が記載されているケースが多い)
採用時のルール
勤務について
休日について
賃金計算について
服務規律について(働いている時に守るルール、遅刻しちゃだめとか誠実に働くなど)
退職について(定年など)
賞罰について(特に罰則が多く書いてあります。解雇する理由はここを根拠にされます)
正社員登用について(ここは大体キャリアアップ助成金で使われます)
その他(特許についてだったり、ある会社にはある。)
簡単に言うと、就業規則の意味と、採用から退職までが書いてあります。

就業規則で特に大事なこと

就業規則に特に大事なのは「勤務」と「休日」と「賃金」についてです
就業規則に書いてあることは、ぶっちゃけ全部大事ではあるのですが、特に大事なことは勤務についてのルールと、休日のルール、そして賃金をどう計算するかについてです。
勤務のルールについて
勤務のルールについてってはめちゃくちゃ大事です。
簡単に言うと、遅刻とか欠勤とか病欠とか、いつからが仕事なのかとか、上司がノリで命令していることとは違う「法的に根拠のある働き方の指示」が書かれてます。
休日について
休日って、「土日休みー」とか、「土日祝のお休みー」とか「週休2日」とか、ここはお前のミスだから勤怠つけるなとよとか、いろいろなブラックな話ありますね。
ぶっちゃけ、就業規則に書いてあることがルールで、全てです。
なので、最終的に裁判になったらこっちが優先されます。
あと、ここの休日の日数で残業代の計算式も変わります。

ざっくりいうと、土日休みという会社と土日祝休みっていう会社だと、同じ給与でも残業代が年間で数十万円単位で変わります。。
賃金の計算式
賃金の計算ってぶっちゃけなれないと難しいし、計算式を誰からも教わらないからよく分からないですよね。
計算式についての詳細な説明はこちら。
特に大事なことは、「計算式は日本全て共通じゃなくて、会社ごとに計算式が就業規則のルールによって違う」ということ
大事だからもう一度。
賃金の計算式は、会社ごとに違う。その計算式は就業規則に書いてある。
ここが一番人事や働く人(従業員)を混乱させている原因。
だから、就業規則って読んでおくことはすごい大事です。

就業規則に書いてあること>上司や誰かの言い分

絶対これを、忘れないで欲しい。
就業規則は「労働基準監督署」っていう、「逮捕権のある署」が正式に受理したものです。(必ず押印があります)
つまり、「誰か適当に出す指示」は法律をクリアしてないことも多くあります。
必ず、きちんと確認をしましょう。

人事に必要なスキルは、法律に決められていないことを、決めること。

人事として大事なことは法律に定められていない部分を就業規則で定めることです。
労働時間の「管理方法」や、「休日の取り扱い」が特にそう。
法律を満たし、かつ従業員が分かりやすく運用しやすい管理方法を決め、それが悪用されない仕組みやシステムを導入することで
始めて生きている(裁判でも勝てる)就業規則が作れます。

最後に 

就業規則は会社の色が出ます。
とんでもない怖い就業規則を書いてあるものもあれば、本当に従業員に対して有利な会社も。
ただし、覚えておいて欲しいことがひとつあります。会社と従業員の立場は対等(公平)です。
ただ、その公平はどんな契約書に合意をするかが対等な訳であって、契約の内容は公平では無いということ。
ほんとうに大事です。ちなみに、会社同士などの法務においても一緒です。

良ければ覚えておいてください◎
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