厚生労働省が提示した、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)養成校の定員充足率低下および地域偏在に関する報告」について、ポイント

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コラム
10月27日に開催された社会保障審議会医療部会において、養成施設の定員充足率が全国的に低下していることが、厚生労働省資料により報告されました。 PT-OT-ST.NET+1
対象は、PT・OT・STの養成校(大学・専門学校等)です。

主なデータ・傾向
養成施設の充足率の低下は、医療・福祉分野全体の人材構造変化を象徴するとされています。 PT-OT-ST.NET
比較データ(平成27年度 vs 令和6年度)では、以下が確認されました。
OT養成施設(養成施設区分):77.2 % → 52.6 %
ST養成所(養成所区分):75.5 % → 63.1 %
PT養成施設:88.8 % → 78.0 %

地域偏在も顕著です。例:
ST養成所は35都府県のみ設置。
都道府県別充足率では、例えばOTでは愛媛県で20.8 %と極めて低い地域がある一方、京都府では129.5 %という高い充足率の地域もあります。

背景・要因
主な背景には、18歳人口の急減という構造的要因があります。1992年をピークに減少が続き、2026年頃から大学進学者数の減少フェーズに入るとされています。
このまま維持されると、2040年には大学全体の定員充足率が70%台にまで低下するとの推計も示されています。

養成校数・配置・地域格差といった制度的な課題も浮上しています。 
政府・厚生労働省の提示する対応策
資料では主に以下のような施策が提案されています。
養成校における遠隔授業の活用や、地域・養成校の実情に応じたサテライト化を推進し、教育機会を確保する。
医療従事者が能力を高めながら、地域で活躍できるしくみ(キャリア選択、多様な働き方、他職種からの参入支援等)を整備する。
限られた人材で質を維持しつつサービスを提供するため、「タスクシフト・タスクシェア」「ICT活用」「地域ネットワーク強化」などの効率化策を検討する。 

臨床・教育・行政へのインパクト(言語聴覚士視点も含めて)
養成校の定員割れと地域偏在は、将来的な人材確保・配置の観点から、言語聴覚士(ST)を含むリハビリ専門職全体にとって深刻な課題です。
特に、地域偏在があるということは、地方での ST 養成機会・卒業生確保・ひいては言語聴覚サービス提供体制に影響を及ぼす可能性があります。
教育機関としては、遠隔授業・サテライト拠点など新しい教育モデルの検討が急務となっており、講師・カリキュラム設計・実習体制整備にも変化が求められます。

施設・臨床現場では、少ない人材でも質を落とさずサービスを維持するために、業務分担・ICT支援・多職種連携などを前倒しで導入する必要が出てきます。
行政・養成校運営側では、養成数の適正化・地域の配置最適化・魅力ある職種・働き方への制度整備という制度的な再設計が問われています。
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