今回は、「『過度な属人思考』と『善悪二元論』が結び付く事による危険性」について、思うところをお話させて頂きます。
上記のYouTube動画でもお話させて頂きましたので、よろしければそちらもご覧頂けますと大変有難いです。
まず『属人思考』というのは心理学などでよく使われる言葉であり、使われる場面によって多少定義が異なってくる一面もありますが、こちら社会心理学者の岡本浩一氏が定義されました概念に基づきまして、今回お話するテーマと照らし合わせて簡単に説明しますと、「物事の正しさを判断する過程において、客観的な事実や証拠、データなどではなく、『誰が言ったのか』という『発言した人物のみ』に着目して決定する思考」とイメージして頂ければと思います。
一方、『善悪二元論』というのは宗教や哲学などでよく使われる言葉であり、そのイメージ通り、「世の中には『善』か『悪』かの二つしかないとする理論」という意味合いで捉えて頂ければと思います。
私自身、『善悪二元論』については否定的な考えを抱いており、『属人思考』についてはケースバイケースだと思うので否定も肯定もしませんが、この『属人思考』が過激化していき、そして『善悪二元論』と結び付いていきますと、非常に危険な思想となってしまう事が懸念されますので、今回はその理由についてお話させて頂きたいと思いました。
例えば物事を判断する過程において、病気の事であれば素人よりも医師の言う事の方が正しいと思うのは当然ですし、法律の事であれば素人よりも弁護士の言う事の方が正しいと思うのも当然の事だと思います。
また、特に信頼している訳ではない人の言う事と、ある程度信頼している人の言う事であれば、やはり信頼できる人の言う事に基づいて判断したいと思うのも当然の事だと言えるでしょう。
つまり、私たちは日常生活におきまして、多かれ少なかれ『属人思考』に基づいて物事を判断していると思いますので、『属人思考』そのものについて否定的に捉えている訳ではありません。
しかし、『過度な属人思考』となりますと、話は別だと思います。
「あの人の言う事はすべて正しい!」
「あの人は絶対に間違った事は言わない!」
このような思考になってしまいますと、もはやその人に洗脳されている状態と言っても過言ではないと思います。
例えば先に例として挙げました医師や弁護士などの専門家であっても、専門以外の事に関しては間違った発言をする可能性だってあり得ると思います。
また、客観的な事実や証拠、データなどが存在しないテーマ、例えば「ラーメンとカレーはどちらが美味しいか」といった内容の場合、これは完全に個人の好みの問題となりますので、たとえ影響力のある有名人やインフルエンサーなどが「ラーメンの方が美味しい!」と発言したとしても、「あの人がラーメンの方が美味しいと発言しているから絶対に正しい!」とはならないはずだと思います。
しかし、自分で調べて自分で考えて自分で判断する事を放棄してしまっている人というのは、何もかも「自分が陶酔している人物」の発言によって物事を判断しようとしますので、こういった『過度な属人思考』に陥ってしまうのです。
そして、この『過度な属人思考』が『善悪二元論』と結び付いてしまうと、さらに恐ろしい思想となってしまいます。
例えば、「あの人は悪人だ!なぜなら私が尊敬するAさんが言っていたから!」とか、「あの企業は悪い事をしている!なぜなら私が推しているBさんが言っていたから!」といったように、客観的な事実を示す根拠や証拠が一切ないにも関わらず、自分が陶酔している人物の発言だけを鵜呑みにして、特定の人物や組織、職業や人種などが『悪である』と決め付けてしまう事になるのです。
こういった手法は、これまでも独裁国家や悪徳宗教などのカルト組織のリーダーがよく使ってきた手法であり、「私たちが『善』であり、私たちの意見に賛同しない者たちは『悪』である」と国民や信者たちを洗脳し、非常に攻撃的で排外主義な国家や組織が作られた事もありました。
しかし最近特に増えてきているのは、SNSやYouTubeなどの新たなプラットフォームが構築された事により、扇動系や炎上系の悪徳インフルエンサーや悪徳YouTuberなどの教祖的な人物に洗脳されてしまうケースだと言えるでしょう。
日頃から『善悪二元論』という尺度で物事を判断する習慣が染みついていて、しかもその判断基準を悪徳宗教や悪徳商法の教祖であったり、悪徳インフルエンサーや悪徳YouTuberなどに一存してしまっている『過度な属人思考』の人たちというのは、陰謀論とかデマとか詐欺とかに騙されたり、誹謗中傷やデマ拡散などに加担してしまう可能性が高いと思います。
ハッキリ言ってしまいますと、「すべての事において絶対的に正しい完璧な人物」など世の中には存在しませんので、そのような「全知全能の完璧な人物」を求めている限りは、いつまで経っても騙されたり裏切られたりする経験を繰り返すため、決して幸せを実感できる人生を歩む事はできないと思います。
ですので、「全知全能の神ような絶対的に正しい完璧な人物」を求めて『過度な属人思考』に陥らないためにも、日頃から『善悪二元論』のような極端かつ短絡的に物事を捉えない事が大切だと言えるでしょう。
最後までお読み頂きまして、どうもありがとうございました!