妻から夜の誘いを冷たく拒絶されたり、触れることすら嫌がられたりする日が続くと、私たち男性は必ずこう考えます。
「俺、何か怒らせるようなことしたっけ?」
「あの日の言い方が悪かったのかな?」
「それとも、俺の夜のテクニックや誘い方に問題があったのか?」
(かつての私も、妻から拒絶されるたびに「なんでだ?先週の休日はあんなに機嫌が良かったのに、俺が昨日飲み会で遅く帰ったからか?」と、直近の自分の行動を必死に振り返って原因を探していました)
男性の脳は「問題解決型」です。パソコンや機械のシステムと同じように、「妻の拒絶のようなエラー」が起きたなら、直前に「決定的なバグ(原因)」があったはずだと論理的に考えます。
だからこそ、その「決定的な原因」さえ見つけて修正すれば、また元の仲の良い夫婦に戻れる、レスは解消されると信じて疑いません。
しかし、断言します。
あなたが探している「決定的な原因」など、どこにもありません。(いや、あるにはあるのですが‥)男性が考えるその原因探しは、女性の心理からすれば「ほとほと見当違い」なのです。
◆ 妻の拒絶は「点」ではなく「線」の歴史である
男性は出来事を「点(その時の出来事)」で捉えますが、女性はすべての出来事を「線(過去からの蓄積)」で捉えます。
妻があなたを拒絶し、セックスレスになっているのは、たまたまその日のあなたの誘い方がキモかったからでも、直前に喧嘩をしたからでもありません。
・話しかけてもスマホから目を離さず「ふーん」と生返事をされた
・家事や育児で疲弊しているのに「俺も仕事で疲れてる」とマウントをとられた(本人はマウントや嫌味を言っているつもりはないはずです。ただ、女性からすればマウントになってしまう)
・「なんでやってくれないの」と正論(アドバイス)で論破された
こうした、日常の些細な「私をわかってくれない」「私の存在を大切にしてくれない」という小さな裏切りや絶望が、何ヶ月、何年にもわたって積み重なった結果なのです。
※ここが肝です。セックスレスというのは「愛情が冷めた結果」として起きている現象にすぎません。夫を男として見られなくなったからレスになったのではなく、「この人は私の心をわかってくれない(=安心できない)」という不信感が限界値を超えたため、本能的にあなたを「拒絶」しているのです。
◆なぜ夫は「突然」拒絶されたように感じるのか?
「いや、でも昔は普通に仲が良かったし、急に冷たくなったんだ!」と反論したくなる気持ちもわかります。
ですが、夫が「あれ?夫婦関係がやばいかも(レスになっている)」と問題として認識する頃には、妻の中ではとっくにカウントダウンが終わりかけているのです。
妻はずっと前からサインを出していたのに、夫がそれに気づかず放置してしまったため、我慢が蓄積し、いよいよ表面に「拒絶」として現れた時に初めて、男性は「突然エラーが起きた!」とパニックになっているだけなのです。
◆ 100点の夫を1日やっても、レスは解消しない
この残酷な真実に気づかない限り、夫はトンチンカンな努力を始めます。
「よし、今日は早く帰って食器洗いも風呂掃除も完璧にこなした!妻の機嫌も良さそうだし、今夜は誘っても大丈夫だろう」
そして案の定、冷たく「疲れてるから」とあしらわれ、「俺はこんなにしてやったのに!!」と喧嘩になってしまいます。
女性からすれば、今日1日だけ完璧な100点の夫をこなされたからといって、「じゃあレスを解消しましょう、抱かれてもいいですよ」とは絶対になりません。
なぜなら、妻の心の中には「また前みたいに私の気持ちを無視して傷つけるんじゃないか?」という心理的な安全性の欠如が分厚い壁となって立ちはだかっているからです。
ちなみに、産後の恨みも解消されたり、忘れ去られることはありません。
女性は記憶を引き出す能力が非常に高いのです。(それも子供を守るための能力なのですが、今は割愛。)
そういった記憶が1日、1日と積み重なり、今に至る。それを今日1日の家事や安易なプレゼントで突破しようとするのは、妻のこれまでの苦しみや我慢を軽く見積もる行為であり、さらに心を閉ざさせる原因になってしまいます。
◆ レスを解消するための唯一のステップ
セックスレスを根本から解消するためには、「どう誘うか」「どう機嫌をとるか」というテクニックを手放してください。
あなたがやるべきことは、「今まで妻に辛い、嫌な思いをさせてきた歴史」があったことを認め、妻の感情に寄り添い、もう一度「この人なら大丈夫だ」という心理的安全性をゼロから構築し直すことです。
(この、自分が今まで妻に辛い思いをさせてきたと認めるのが何より大変!
さっきお伝えしたように、なにせ何年も前の事を引き合いに出してきます。そんな話、今、言ったってしょうがないじゃん!
とキレたくなる気持ちはわかりますが、とにかく我慢です。)
・妻が話しかけてきたら、手を止めて目を見て話を聞く
・妻の感情を否定せず、ただ共感する
・名もなき家事や日々の育児に対して、こまめに感謝を伝える
こうした「昼間の地道な思いやり」を愚直に積み重ね、妻の枯渇した『安心メーター』を貯めていくことでしか、夜の拒絶の壁を溶かすことはできません。