源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 完全ガイド|メリット・書き方・注意点をQ&Aで徹底解説

記事
法律・税務・士業全般

源泉所得税の納付を年2回にする「納期の特例」。「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の書き方、対象者、手続き、注意点をQ&Aで解説。小規模事業者の事務負担軽減に。


毎月の源泉所得税の納付、手間がかかっていませんか?従業員が常時10人未満の小規模事業者なら、「源泉所得税の納期の特例」を利用して納付を年2回にまとめることができます。この制度を活用すれば、経理の事務負担を大幅に軽減可能です。

この記事では、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の提出を検討している方に向けて、制度の概要、申請手続き、対象となる所得、注意点などを、専門家レポートの内容に基づきQ&A形式でわかりやすく解説します。

行く時間がない
めんどくさいと思ったら
\プロに任せて時間節約/

【納期の特例制度と申請書の基本】

Q1: 「源泉所得税の納期の特例」とは、そもそもどんな制度ですか?

A1: 源泉所得税の納期の特例とは、従業員への給与などから源泉徴収した所得税及び復興特別所得税(源泉所得税等)の国への納付を、原則の「毎月」から「年2回(7月と翌年1月)」にまとめられる制度です。利用するには「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署に提出し、承認を得る必要があります。

Q2: 「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」は、どんな役割の書類ですか?

A2: この申請書は、事業者が納期の特例の適用を受けたい旨を税務署に正式に申し出て、承認を求めるための書類です。自動的に適用される制度ではないため、この申請書の提出が必須となります。

Q3: 納期の特例を適用するメリットは何ですか?

A3: 最大のメリットは、納税に関する事務負担の大幅な軽減です。毎月の源泉所得税額計算、納付書作成、金融機関での納付といった一連の手間が年2回で済むようになり、時間とコストの節約につながります。また、納税資金が半年間手元に残るため、一時的な資金繰り改善効果も期待できますが、納税資金の計画的な準備は不可欠です。

行く時間がない
めんどくさいと思ったら
\プロに任せて時間節約/

【申請できる事業者(対象要件)】

Q4: どのような事業者がこの特例を申請できますか?

A4: 「給与の支給人員が常時10人未満」である源泉徴収義務者(事業者)が対象です。この要件を満たしていれば、個人事業主でも法人でも申請できます。

Q5: 「給与の支給人員が常時10人未満」の「常時」とは、具体的にどう判断しますか? アルバイトやパートも人数に含めますか?

A5: 「常時」とは、「平常の状態において」という意味合いです。そのため、繁忙期などに一時的に雇用したアルバイトやパートタイマー(臨時に雇い入れた人)は、この10人未満の判定人数には含めません。日々雇用している従業員が基本的に9人以下であれば、要件を満たすと考えられます。

Q6: 申請できない(承認されない)ケースはありますか?

A6: はい。申請時に国税の滞納がある場合や、過去に納付の著しい遅延があった場合などは、申請しても承認されない(却下される)可能性があります。日頃から適正な納税を心がけることが重要です。

行く時間がない
めんどくさいと思ったら
\プロに任せて時間節約/

【申請手続きの方法(入手・記入・提出)】

Q7: 申請書はどこで手に入りますか?

A7: 申請書の様式(PDF)は国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。また、会社の所在地などを管轄する税務署の窓口でもらうことも可能です。

Q8: 申請書には主にどのようなことを書けばよいですか?

A8: 申請書には、提出日や提出先の税務署名をまず記入します。次に、申請者の情報として、個人事業主であれば納税地の住所、氏名(屋号もあれば)、電話番号を、法人であれば本店所在地、法人名(フリガナ)、代表者氏名(フリガナ)、電話番号、法人番号(なければ空欄可)などを正確に記載します。

もし申請者の住所(本店所在地)と給与を支払う事務所の所在地が異なる場合は、その給与支払事務所の所在地も記入が必要です。

さらに、申請日前の6ヶ月間について、各月末時点での給与支給人数(常雇・臨時雇いを区別)と支給総額を月別に記入します。

ただし、設立直後で実績がなければこの部分は空欄で構いません。最後に、国税の滞納等があるかどうかについて、該当する場合に記入します(なければ空欄)。

Q9: 会社設立直後で、まだ給与支払いの実績がない場合、「給与支払状況」欄はどう記入しますか?

A9: 設立直後などで申請前の6ヶ月間に給与支払実績がない場合は、「申請日前6ヶ月間の給与支払状況」の欄は空欄のままで提出して問題ありません。

Q10: 申請書の提出に期限はありますか? いつ提出するのが良いですか?

A10: 提出期限は特に定められていません。要件を満たしたらいつでも申請可能です。ただし、特例の適用開始時期は申請・承認のタイミングによります。早く適用を受けたい場合は、設立時や要件を満たした時点など、できるだけ速やかに提出するのがおすすめです。法人設立届出書などと一緒に提出すると手間が省けます。

Q11: 申請書はどこに、どうやって提出しますか?

A11: 納税地(通常は本店所在地や主たる事務所の所在地)を管轄する税務署長宛てに提出します。提出方法としては、税務署の窓口に直接持っていく方法、郵送する方法、そしてe-Tax(電子申告)を利用する方法があります。窓口で提出する際には、控えに受付印をもらっておくと安心です。

Q12: 開業届や法人設立届出書と一緒に提出することもできますか?

A12: はい、可能です。個人事業主が開業届と同時に出す場合は、開業届にある「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無」欄の「有」にチェックを入れます。法人が法人設立届出書と同時に出す場合、設立届には定款の写しなども必要になるため、まとめて準備するとスムーズです。

行く時間がない
めんどくさいと思ったら
\プロに任せて時間節約/

【承認の効果と納付スケジュール】

Q13: 申請が承認されると、具体的に何が変わりますか?

A13: 源泉所得税等の納付が、毎月から年2回に変更されます。これにより、納税に関する事務手続きの頻度が大幅に減ります。

Q14: 年2回の納付期限は具体的にいつになりますか?

A14: 承認後の納付期限は、1月1日から6月30日までに支払った給与等に係る源泉所得税等についてはその年の7月10日、7月1日から12月31日までに支払った給与等に係る源泉所得税等については翌年の1月20日となります。

Q15: 納付期限(7月10日や1月20日)が土日や祝日だった場合はどうなりますか?

A15: 納付期限が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日に重なった場合は、これらの日の翌日(次の平日)が期限となります。

行く時間がない
めんどくさいと思ったら
\プロに任せて時間節約/

【特例の対象となる所得・ならない所得】

Q16: どんな所得に対する源泉所得税が、年2回納付の対象になりますか?

A16: 年2回のまとめ納付が認められるのは、特定の所得から源泉徴収した所得税及び復興特別所得税に限られます。具体的には、従業員等に支払う給料や賃金、賞与などのいわゆる給与所得、従業員等に支払う退職手当などのいわゆる退職所得、そして税理士や弁護士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、公認会計士といった特定の資格を持つ専門家への報酬・料金が対象となります。

Q17: 逆に、年2回納付の対象にならない所得はありますか?

A17: はい、あります。例えば、原稿料や講演料、デザイン料、外交員報酬、ホステス等への報酬などは対象外です。また、Q16で挙げた特定の専門家以外のフリーランス、例えばライターやデザイナーなどへの外注費や、配当所得も対象になりません。これらの所得は、納期の特例の承認を受けていても、年2回納付の対象とはなりません。

Q18: 対象外の所得に対する源泉所得税は、どうすればよいですか?

A18: 特例の対象とならない所得(Q17参照)について源泉徴収した税金は、たとえ納期の特例の承認を受けていても、従来通り、支払った月の翌月10日までに納付しなければなりません。納付管理を混同しないよう注意が必要です。

行く時間がない
めんどくさいと思ったら
\プロに任せて時間節約/

【申請・承認に関する注意点】

Q19: 申請書を提出したら、すぐに納付が年2回になりますか? 承認はいつわかりますか?

A19: いいえ、すぐには適用されません。税務署では提出された申請書を審査します。提出した月の翌月末日までに税務署から承認、あるいは却下の通知がなければ、その翌月末日に「承認があったもの」とみなされます(これを「みなし承認」といいます)。

重要なのは、特例(年2回納付)が実際に適用され始めるのは、この承認があった(とみなされた)月の「翌月」に支払う給与等から源泉徴収する分についてです。

例えば、2月中に申請し3月末に承認(またはみなし承認)された場合、4月以降に支払う給与等から源泉徴収する分が、初めて年2回納付の対象となります。申請後すぐに納付を止めないよう、適用開始時期を正確に把握してください。

Q20: 申請が承認されない(却下される)のは、どのような場合ですか?

A20: Q6でも触れましたが、申請時に国税の滞納がある場合や、過去に納付の著しい遅延があった場合などです。申請書にもこれらの状況に関する記載欄があります。

Q21: 一度承認されても、後から取り消されることはありますか?

A21: はい、あります。特例の適用を受けた後に、定められた年2回の納付期限(7月10日、翌年1月20日)を守らなかったり、著しい納付遅延を起こしたりすると、承認が取り消される可能性があります。承認後も期限内の適正な納付が必要です。

行く時間がない
めんどくさいと思ったら
\プロに任せて時間節約/

【承認後のコンプライアンスと届出】

Q22: 特例を受けている途中で、従業員数が常時10人以上になったら、どうすればよいですか?

A22: 給与の支給人員が常時10人以上となり、特例の要件を満たさなくなった場合は、遅滞なく「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を所轄税務署長に提出する義務があります。

Q23: 「要件に該当しなくなったことの届出書」を提出すると、いつから毎月納付に戻りますか?

A23: 届出書を提出した日が属する期間(1月~6月 または 7月~12月)から特例の効力が失われます。例えば、3月中に届出書を提出した場合、その提出日以降は原則の毎月納付に戻ります。具体的には、1月・2月分は特例期間分として4月10日までに納付(特例用納付書を使用)、3月分からは毎月納付に戻るため、これも4月10日までに納付(毎月用納付書を使用)という流れになります。

Q24: 納期の特例の対象期間(半年間)で、源泉徴収すべき税額がゼロ円だった場合、何か手続きは必要ですか?

A24: 源泉徴収税額がゼロの場合でも、納付書(所得税徴収高計算書)に「納付税額0円」と記載して、定められた期限(7月10日または翌年1月20日)までに税務署に提出する必要がある場合があります。実務上の取り扱いについては、念のため所轄税務署や税理士にご確認ください。

行く時間がない
めんどくさいと思ったら
\プロに任せて時間節約/

【その他(相談先など)】

Q25: 申請が却下された場合、不服を申し立てることはできますか?

A25: はい。もし申請が却下された場合、その処分の通知を受けた日の翌日から3ヶ月以内であれば、不服申し立てが可能です。具体的には、処分を行った税務署長への「再調査の請求」を行うか、あるいは国税不服審判所長への「審査請求」を行うという手続きがあります。

Q26: 手続きについて不明な点や、個別のケースで判断に迷う場合は、どこに相談すればよいですか?

A26: 手続きの詳細や個別の状況に応じた判断については、納税地を管轄する税務署に問い合わせるか、顧問税理士などの税務の専門家に相談することをおすすめします。

行く時間がない
めんどくさいと思ったら
\プロに任せて時間節約/

【まとめ】

源泉所得税の納期の特例は、従業員が常時10人未満の事業者にとって、毎月の納税事務にかかる負担を大きく減らせる有効な制度です。申請書の提出自体は比較的簡単に行えますが、特例の適用が開始されるタイミング、年2回納付の対象となる所得の範囲、承認後に要件を満たさなくなった場合の届出義務など、正しく理解しておくべき重要なルールがあります。

この記事のQ&Aを参考に、自社が適用要件を満たしているかを確認し、メリットと注意点を踏まえた上で、納期の特例の申請を検討してみてはいかがでしょうか。もし手続きや具体的な判断で迷うことがあれば、税務署や税理士に相談することをおすすめします。適切な手続きで事務負担を軽減し、より効率的な事業運営を目指しましょう。

行く時間がない
めんどくさいと思ったら
\プロに任せて時間節約/

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら