リスク許容度と自己資産

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マネー・副業
今、ある投資を行なった結果、50万円の損失が出たとします。自己資産を全て投資に充てたとして、当初資金が、100万円、1,000万円、1億円の人にとって、この損失の意味は、大きく異なります。

100万円の人は、当初資金の50%を失ったことになり、致命的な損失を受けたことになります。
1,000万円の人は5%の損失で、少しやられた程度、1億円の人は0.5%の損失で、ちょっとした揺らぎ程度の損失でしょう。

では、皆が一律、50%の損失を受けたとしたらどうでしょうか。
100万円の人は変わらず、50万円の損失。1,000万円の人は500万円の損失。1億円の人は5,000万円の損失です。誰が最もダメージを受けたでしょう。

絶対額で言えば、1億円の人が最もダメージを受けたことになります。何せ、5,000万円です。上等な家がキャッシュで買える金額です。
しかし、実際に最も深刻な事態に陥っているのは、100万円の人だと思われます。

何故なら、50%の損失によって、自己資産の残高は、それぞれ50万円、500万円、5,000万円となります。100万円の人は、ただでさえ少なかった自己資産がますます減少し、緊急の出費でもあろうものなら、たちまち赤字に陥ってしまう可能性があります。

それ以外の人は、損失の絶対額こそ大きいものの、自己資産残高はまだ十分にあるため、再度投資にチャレンジすることもできるでしょう。

日本国内において標準的な生活を送るには、最低限の固定費や経費が掛かります。自己資産と、この生活に掛かる費用との差額が大きいほど、余裕を持った投資が可能となるわけです。

極論を言えば、自己資産が1億円あるにも拘らず、つつましい生活を送っている人にとっては、仮に90%の損失を被っても、その後も投資を継続して、損失を挽回するチャンスを持ち続けることができるかもしれません。
もっとも、そのような生活をしている人が、90%もの損失を計上するのを指をくわえて見ているとは思えませんが。

さて、かなり以前にジェイコム株騒動で、大量の買い注文を入れ、大きな利益を上げた個人投資家がいたことを覚えておいででしょうか。

彼らにしてみれば、もちろん「誤発注による大きな収益チャンス」という認識はあったでしょうが、リスクが全くなかったわけではないでしょう。ひょとすると、何らかの悪材料があった可能性も否定できなかったわけです。

それでも彼等が果敢に買い向かったのは、仮にジェイコム株で失敗して資産が半分になっても、まだ十分な資産が残っており、今後いくらでも挽回のチャンスがあると考えていたからではないでしょうか。

逆に、資産が100万円以下程度しかなかった人は、ストップ安になった局面で、はたしてジェイコム株を買いに行けたでしょうか?

結局、リスク許容度と言うのは、自己資産額によって異なってくるものです。しかも、それは、一定額であるわけではなく、また、一定率であるわけでもありません。

リスク許容度とは、最大想定損失(リスク)を差し引いた後の自己資産額と、毎月の生活費とを天秤に架けて、決定されるべきものなのです。

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