時間を買う!

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マネー・副業
今、ほぼ確実に月5%の利益を上げることができる投資システムがあったとします。このシステム により運用できる資産規模は、マーケットインパクトを考慮して現在の自己資金の100倍まで可能であるとします。
到達資金目標を当初の自己資金の50倍とした時、どのような行動を取るべきでしょうか?

①秘密を誰にも明かさずに、現状の自己資金内でシステムを運用する。
②借金してでも資金を掻き集めて、システムを運用する。ただし、借入れ額は現状資金の2倍と し、借入れ利率は年20%複利とする。返済期間は元利金等払いの5年とし、翌月から返済スタートとする。また、借入れは最初の1回のみとする。
③システムを切り売りする。売却総額は現状資金の10倍とし、顧客は購入価格と同額からシステム運用をスタートしなければならないものとする。

さて、以上の条件で資金が50倍を超えるに要する月数を計算して見ると、次のようになります。

①81ヶ月 
②77ヶ月
③32ヶ月

この結果を見ると、②のように借金をしても、わずか4ヶ月の時間短縮効果しか得られないことが分かります。まあ、金利が高いということもあるかもしれませんが、無担保で目的を明かさずに借りるとなれば、借りられるだけマシかもしれません。

結局、高額な借入れというリスクを犯しても、わずか4ヶ月の時短効果しかないのなら、借入れは行なわない方が賢明でしょう。

一方、システムの切り売りの場合は、大きな時短効果が見込めます。

システムを③の条件で売却し、それに自己資金を加えて運用すると、自己資金は当初の11倍か らということになるので、全体として、当初の21倍の資金から運用スタートということになります。その内、11/21(52.4%)が自分の運用分ということになり、自分の資金が最初の50倍に達しても、システム購入者を含めた全体としては、100倍に達しません。

すなわち、システムはまだ破綻せず、資金を50倍にするという目標は32ヶ月目に達成できることになります。

この時、顧客の資金は、スタート時の4.7倍になっており、システム購入代金分を考慮しても、資金は2.3倍に増加していることになります。これは、年利30%を超える利率に相当し、利率30%の3年定期と考えれば、顧客にも十分なメリットがあるでしょう。

上の論法で面白いのは、システムの売却総額が現状資金の何倍であっても、自己資金は必ず顧客の投資総額よりも多くなり、その結果、顧客を含めた投資総額が当初の自己資金の100倍を超えなければ、自己資金を50倍にするという目標は達成できることになることです。
もちろん、顧客への売却総額が自己資金の49倍を超えると、最初の1ヶ月でシステムが破綻することになり、顧客から詐欺罪で訴えられることになるでしょう。

このように、最終的な利益目標を、システムの最大運用額の1/2にすることで、システムの売却により、利益目標を達成するまでの時間を大幅に短縮することが可能となります。
もちろん、現実には、法律や税金の問題、顧客との契約の問題、顧客を含めた運用の問題等、課題は多々ありますが、確実性の高いシステムが出来た場合には、このような投資顧問的業務を含めた資産運用を考えてみるのも一法です。

また、上記の考察で、システムが破綻する限界を、自己資金の100倍としましたが、この限界ギリギリでシステムを運用し続ける分には、システムの破綻はありません。
すなわち、資金の100倍までは、収益を再投資し複利運用するが、100倍を超えたら、例えば毎月の収益を配当するように切り替えればよいのです。ようするに、原資を増やさずに、収益だけを毎月配分することで、システムを運用し続けることが出来るわけです。

あるいは、50倍という資金目標を達成した時点で、そのシステムから自己資金を引き上げる、という選択肢もあります。そうした場合、完全に、システムだけの販売で完了することもあるでしょう。その時のシステム売却総額の制限は、上述した自己資金の49倍という基準を超えることが出来ます。

以上のように、確実性の高い投資システムを所有していたとして、そのシステムを自分で運用することが、必ずしもベストな選択ではないことが分かります。むしろ、うまくビジネスモデルを造り上げることにより、目標利益を達成するまでの時間を短縮することができるのです。

ようするに、システムを売ることにより、時間を買うのです。

昨今の企業買収などは、時間を買う、最たる例でしょう。その一方で、時間を買う代償として、信頼を失う事例が増えていることは、残念なことです。

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