婚約破棄による示談書作成の注意点 ――感情を整理し、紛争を終わらせるために

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コラム

結婚の約束は、
人生において極めて重い意味を持つ。

だからこそ、
婚約が破棄されたとき、
そこに残るのは

怒り

悲しみ

後悔

不信感

といった、
簡単には整理できない感情だ。

だが現実として、
婚約破棄は法的な問題にもなる。

そして多くの場合、
裁判ではなく
示談によって解決される。

そのとき重要になるのが、
示談書の作り方だ。

第1章 婚約破棄は「違法」なのか

まず大前提。

婚約破棄そのものが、
常に違法になるわけではない。

性格の不一致

価値観の相違

将来設計のズレ

など、
合理的理由があれば、
違法とまでは言えないケースも多い。

しかし、

一方的

突然

相手に重大な不利益を与える

場合には、
不法行為として損害賠償の対象になることがある。

第2章 示談書の役割とは何か

婚約破棄の示談書は、
単なる「お金の約束」ではない。

その本質は、

紛争をここで終わらせる

これ以上争わないと約束する

将来の請求を遮断する

という点にある。

示談書は、
感情の決着ではなく、法的決着のための書面だ。

第3章 注意点①
婚約の成立をどう扱うか

示談書作成で最初に注意すべき点がここ。

婚約破棄の責任を整理するには、
そもそも

婚約が成立していたか

が前提になる。

示談書では、

明示的に婚約を認めるのか

成立の有無に触れないのか

を慎重に選ぶ必要がある。

不用意に
「婚約していたことを認める」
文言を入れると、
他の法的責任まで認めたと解釈される可能性がある。

第4章 注意点②
金銭の名目を曖昧にしない

示談金について、

慰謝料

解決金

和解金

どの名目で支払うのかは、
極めて重要だ。

特に、

「慰謝料」と明記するか

「本件解決金」とするか

で、
法的意味合いが変わることがある。

感情的には慰謝料でも、
示談書上は
「本件解決金」とするケースが多い。

第5章 注意点③
清算条項を必ず入れる

婚約破棄の示談書で
最も重要と言ってもいい条項が、
清算条項だ。

例:

本件に関し、本示談書に定めるほか、
甲乙間には何らの債権債務が存在しないことを相互に確認する。

これがないと、

後から追加請求

別の名目での請求

が出てくる可能性が残る。

示談は「終わらせる」ためにある。
終わらない示談書は意味がない。

第6章 注意点④
守秘義務・口外禁止条項の扱い

婚約破棄では、

周囲への発言

SNS投稿

噂話

が新たな紛争を生むことがある。

そのため、

第三者への口外禁止

SNS等への投稿禁止

を入れることは多い。

ただし、
過度に広すぎる条項は、
無効・トラブルの原因になることもある。

第7章 注意点⑤
接触禁止・今後の関係整理

関係を完全に終わらせたい場合、

直接の連絡

第三者を通じた連絡

について、
整理しておくことがある。

感情的な再接触は、
新たな紛争の火種になる。

第8章 示談書は「気持ちを書かない」

示談書に、

謝罪文

心情

反省

を書きたくなることがある。

だが、
示談書は感情を書く文書ではない。

感情は、
話し合いの場で出し切る。

示談書は、
事実と約束だけを書く。

それが、
後悔しない示談書を作る最大のコツだ。

結び

婚約破棄は、
誰かが「悪い」から起きるとは限らない。

だが、
起きてしまった以上、
法的には整理が必要になる。

示談書は、
相手を縛るための書面ではない。

自分の人生を、
この出来事から前に進めるための書面だ。

感情が激しいときほど、
示談書は冷静に。

それが、
本当に紛争を終わらせる
唯一の方法である。

南本町行政書士事務所 特定行政書士 西本
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