特定商取引法の継続的役務提供とは何か。

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法律・税務・士業全般
特定商取引法は、特定商取引に関する法律といいます。一般消費者(個人)と事業者(企業体でなくても事業で行っていればこれに当たる)との間での契約に際し、消費者と事業者の間で情報格差があることから、消費者を保護するために作られた法律です。
対象となる事業は、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売、特定継続的役務提供、業務提供勧誘販売、訪問購入に限られています。
また事業者間の取引では適用はありません。これは、事業者間では情報格差が一般消費者ほどないと考えられているためです。ただ事業者に当たるかどうか、についてはケースバイケースですので気になる方は専門家の判断を仰いだ方がいいかと思います。
この中でも特定継続的役務提供という項目が特に問題となりますので、今日はこの話をしたいと思います。
ここでいう特定継続的役務提供に当たる事業とは、法41条2項に定義がありますが、要するに、エステ、美容医療(皮膚、体型の整えるなど、歯牙の漂白等)、語学教室、家庭教師、塾(いわゆる、中学、高校大学受験を目的とするもので資格は入りません)パソコン教室、結婚相談所を言います。
家庭教師や塾などについてはその事業者が浪人生「だけ」を対象としていると、この継続的役務提供に含まれません。また小学受験、幼稚園受験は含まれません。
ですので、医学部を卒業され、医師国家試験だけを受験するための塾はここでいう特定継続的役務提供には含まれません。
このように受験と聞けば大雑把にすべて含まれそうですが、含まれないものもあります。
特定継続的役務提供に当たると特定商取引法の適用がありますから、クーリングオフの定めや契約書、契約内容をまとめた概要書面の交付義務などを行う必要があります。
この法律ができた当初はインターネットが普及していませんでしたが、インターネットを使った授業などもここでは含まれます(例えば、ZOOMによる授業など)。
概要書面は契約締結前に提示するもので、契約書そのものでは有りませんが、料金表などを含めて作成しておき、これを提示した上で、契約になるのでしたら契約締結後に契約書を交付しておきましょう。
継続的役務提供に当たらず、特定商取引法の適用がないからといっても消費者保護の観点はありますので、消費者契約法や民法の規定は適用されます(正確には全て適用されるとは言えませんが、商取引であれば適用の余地はあります)。これもケーズバイケースです。
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