本のタイトルは、「脳を知る・創る・守る・育む6」(「脳の世紀」推進会議編 加賀乙彦、澤口俊之、藤澤肇、森憲作、藤田雅博、塚田稔、井原康夫、祖父江元、ヘンシュ貴雄)です。編集:「脳の世紀」推進会議、発行者:松田國博、発行所:株式会社クバプロ、発行日:平成16年5月20日、定価1800円+税。
それでは、脳の世紀シンポジウム講演収録集6について簡単に紹介いたします。
講演収録集6は、「脳の世紀」推進会議の主催により開催された第9回および第11回「脳の世紀」シンポジウムでの講演を収録したものです。第9回シンポジウムは2001年9月7日に、第11回シンポジウムは2003年9月17日に、東京の有楽町・朝日ホールにて開催されました。
(運動ニューロンの変性を防ぐ)については、2003年1月25日の東京のシェーンバッハ・サボーにて行われた文部科学省特定領域研究「脳科学の先端的研究」主催、「神経変性疾患の治療はここまできている」での講演内容を収録したものです。
脳を知る・創る・守る・育む6の目次
はじめに 伊藤 正男
Ⅰ章 特別講演 文学と脳 加賀 乙彦
II章 脳を知る
脳と心の進化 澤口 俊之
秩序だった神経ネットワークを生みだす分子メカニズム 藤澤 肇
分子を感じる脳のにおい地図 森 憲作
III章 脳を創る
エンターテイメントロボットにおける知能とは? 藤田 雅博
学習と記憶の計算モデル 塚田 稔
IV章 脳を守る
アルツハイマー病治療法の進歩 井原 康夫
運動ニューロンの変性を防ぐ-球脊髄性筋萎縮症を中心に 祖父江 元
V章 脳を育む
「臨界期」の仕組み ヘンシュ貴雄
著者紹介
以上です。
これらの講演者の中で、特別講演の講演者の方は脳科学研究者ではありませんが、「文学と脳」というテーマで興味深い講演をされています。特別講演は毎回テーマに沿った講演がなされます。各領域の講演は1年間の研究成果のうち、チャンピオンの成果を発表していると、伊藤正男先生が仰っていました。また、「脳を育む」の領域が追加されて、初めての講演がヘンシュ貴雄氏による「臨界期」の仕組みです。この講演は、神経回路の臨界期は脳の可塑性と密接な関係があるなど、動物実験結果を用いた詳しい講演内容ですが、一般向けに少し分かりやすく講演されています。
上記の講演収録集の最後に著者紹介欄がありますが、講演者の略歴と執筆著書が掲載されていますので、更に執筆著書を読むと、興味の持たれた講演者の深淵を除くことができます。話しは変わりますが、個人的に放送大学に入学し、伊藤正男先生の「脳と行動」という閉講講座を受講しました。偉人の研究をしていて、偉人の著作を収集していたとき、伊藤正男先生の放送大学教材を発見し、放送大学図書館で視聴申し込みを行い、動画のビデオ講義を受講しました。若いときの先生の脳科学講義を直接受講できます。脳科学は楽しいというわくわく感にあふれたすばらしい講義でした。ただし、閉講講座は放送大学に入学しないと受講できません。大学に価値があるのではなく、講師に価値があります。例えば、世界一の先生が定年だからといって定年退官されますと、日本の知が失われます。日本でも生涯現役研究者の道が開かれると、良いと思います。日本の衰退の理由の一つが偏差値教育と定年制にあると思います。定年制を維持して日本が繁栄するためには、定年退官(または定年退職)されるとき、下が育っているという前提条件があったのです。なぜ、海外投資を呼び込むために、役所が英語対応にする必要があるのか、不思議です。日本人が日本語を大切にしないでどうするのかです。今朝のニュースを見て違和感を持ちました。脳科学本の紹介とは関係がありませんが、おかしなことを言っていることが理解できない脳は、すでに脳の病気です。・・・・