本のタイトルは、「脳を知る・創る・守る・育む7」(「脳の世紀」推進会議編 伊藤正男、晝馬輝夫、河西春郎、山口陽子、兼子直、酒井邦嘉)です。編集:「脳の世紀」推進会議、発行者:松田國博、発行所:株式会社クバプロ、発行日:平成17年6月10日、定価1400円+税。
それでは、脳の世紀シンポジウム講演収録集7について簡単に紹介いたします。
講演収録集7は、「脳の世紀」推進会議の主催により開催された第12回「脳の世紀」シンポジウムでの講演を収録したものです。第12回シンポジウムは2004年9月15日に、東京の有楽町・朝日ホールにて開催されました。
脳を知る・創る・守る・育む 7の目次
開会挨拶 伊藤 正男
Ⅰ章 特別講演
光と脳 浜松ホトニクス株式会社・代表取締役会長兼社長 晝馬 輝夫
PETを用いた脳機能の研究-ポジトロンCTのしくみ-/PETスキャナ/PETによる感性計測の試み/PETによるがんの検診例/PETによる脳画像の診断例/近赤外光を用いた脳機能イメージング/「カミオカンデ」と「すばる」(一部抜粋)
Ⅱ章 脳を知る
学習・記憶過程を見る 自然科学研究機構生理学研究所教授
/東京大学大学院医学系研究科教授 河西 春郎
脳の神経細胞/海馬シナプスの長期増強/長期増強とスパインの形態変化/2光子励起顕微鏡の開発/ケイジドグルタミン酸試薬2光子励起/樹状突起表面のグルタミン酸感受性の分布/グルタミン酸感受性とスパインの形態/2光子励起顕微鏡システムの概要/シナプス形態の可塑性/スパイン形態の機能的意義は、グルタミン酸受容体の発現にある/スパイン構造の安定性と機能/頭の働きとシナプス(スパイン)の働き
今後の展望
質疑応答
Ⅲ章 脳を守る
てんかんの分子病態 弘前大学医学部教授/同医学部長 兼子 直
はじめに-てんかんとは/てんかんの分類と臨床/てんかんの診断/てんかんの遺伝子研究への期待/遺伝子診断の必要性/てんかんの原因遺伝子/原因遺伝子によるてんかんの分類/常染色体優性夜間前頭葉てんかんの原因遺伝子/てんかんモデルラットの作出/良性家族制新生児けいれんの発症機序と年齢依存性/熱性けいれん解析の重要性/てんかんの遺伝子診断の可能性
まとめ
謝辞
質疑応答
Ⅳ章 脳を創る
リズムが刻む脳の記憶 (独)理研BSI 知能アーキテクチャー研究グループ創発知能ダイナミックス研究チーム・チームリーダー 山口 陽子
リズムは生命系において要素とシステムをつなぐ原理である/脳神経集団は自発的なリズムをもつ/記憶とリズム/ラット海馬のシータリズム活動の研究史/ラット海馬/シータリズムの役割とシータ位相歳差/シータ周期での位相と空間位置の関係/位相コードによる海馬記憶記銘/位相歳差をもつ海馬モデルによる認知地図の獲得/ラット海馬シータリズムの記憶-まとめ/そしてヒトの記憶へ/脳のリズムと情報
まとめ
質疑応答
Ⅴ章 脳を育む
言語発達の脳科学 東京大学大学院総合文化研究科助教授 酒井 邦嘉
言語発達は「氏」か「育ち」か/母語の「教育」?/母語は教育によって身につくのではない/第二言語には教育が必要/脳の発達と母語の獲得/英語習得過程の調査/英語の成績は双生児間で相関する/英語の習得と脳の活動変化/文法中枢の活動変化から成績の向上を予測する
質疑応答
著者紹介
司会者紹介
以上です。
これらの講演者の中で、特別講演の講演者の晝馬 輝夫氏は、浜松ホトニクスの社長でカミオカンデの光電増倍管を製作した会社として有名です。現在はお亡くなりになりました。ノーベル賞受賞者の小柴先生に付き合うと大変だと仰っていいました。技術のオリジナルは高柳健次郎博士だとも言っていました。PETスキャナでは有名会社で盛りだくさんの講演をしてていただきました。脳科学研究に大型予算がつき研究が進展いたしました。講演者は研究機関の研究代表やチームリーダーの方たちであり、たくさんの脳科学研究者による研究成果発表です。脳研究も順調に進んでいるが、国際競争も激しくなり、まだまだ課題もあるので、NPO法人となった脳の世紀推進会議の会員になって支援して頂きたいと、伊藤正男先生が仰っています。最新の脳の世紀推進会議の情報としては、SNS(X,インスタ、フェースブック)を始めたので、フォロアーになって欲しいというメールが配信されました。司会者の方と研究発表者の方の質疑応答の内容も掲載されています。
脳の課題は、われわれ自身の課題でもあるので、脳の世紀推進会議の会員が増え、脳科学研究の支援の輪が広がることを期待します。