いとしいいとしいと言う心
ということで、今日は「恋」について書きます。 ジジイ、とうとう血迷ったか! まさかワクチンの副反応が頭に!? といった声が聞こえてきそうですが、最近読んだ「キラキラネームの大研究」(伊東ひとみ著)という本から得た学びをご紹介するだけですから、安心してください。 まず、この本ですが、タイトルから想像されるよりもはるかに深い日本語論になっています。 キラキラネームというと、有名な「光宙」(ぴかちゅう)」を初めとして、「苺苺苺」(まりなる)、「心」(ぴゅあ)、「愛夜姫」(あげは)等々いろいろありますが、一般的にはバカ親の暴走の結果とされています。 しかし、著者によればそのルーツはもっと深くにあるのです。 なんでも、これは漢字を取り入れた瞬間に背負った宿命の落とし穴であり、本居宣長も頭を悩ませていた問題だったとのこと。 その他、沢山の面白い発見がありますが、今日のテーマではないので別の機会に回すことにして、取り上げたいのは最初に書いたように「恋」です。 ご存じのとおり恋を旧字体で書くと戀ですね。 昔はこの難しい字の覚え方として、「愛(糸)しい愛(糸)しいとしいと言う心」なんていっていました。 確かに、戀の上の部分では、「言」が二つの「糸」に挟まれています。 実はこれは言葉が糸に絡まってなかなか出てこないさまを表しているのです。 それに「心」を加えて、「さまざまに思い乱れて思い切りがつかないもどかしい心」というのが本来の語源なんですね。 ところが新字の「恋」の方は、上の部分は大の字に立っている人が両脇に物を抱えた姿を表し、同じ物事がもう一つあるという意味です。 要するに「千々に乱れる切な
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