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【詩】「HSP(繊細さん)」

どうせ萎むのに パンパンに膨らんだ心 ほら、視線で突かれた とても辿れないから 持ち主がいるのかも分からない視線が 前からも後ろからも 右からも左からも そして過去からも 心は視線を中心に凹み いびつな形に膨らんで逃れようとする その薄いピンク色になったところに 歯が立てられる 「期待してるよ」 誰にも聞かせない悲鳴が上がり 心が割れる 地面と同化した心 無意識に踏みつけられたとしても もう潰れているから 痛くも痒くもない あぁ、このままでいられたら 誰にも気付かれないで 何もない状態でいられたら (なら生まれてこない方がよかったのでは……?) まぁ、そうなのかもしれない そうしている内に ほら、口づけされる 「期待してるよ」 その唇の痛みに捩れながら 心に声援が吹き込まれる 内側で反響し やはり持ち主の分からない声援を 次から次へと引き連れてくる 「影で頑張ってるのをいつも見てるからね」 「何があっても死にゃしないって」 「気にしすぎないようにすれば?」 「皆そうだから大丈夫」 「長所だと思ったらいいじゃん」 「若いっていうのはいいねぇ」 「試練は乗り越えるためにあるんだよ」 「プレッシャーに打ち勝て!」 心がパンパンに膨らんでゆく どうせ萎むのに 表面に冷や汗を浮かべながら 張り詰めてゆく  「はい、頑張ります!」 読んでいただきありがとうございました。あなたの心を無自覚に守ってくれる人が現れますように。
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【詩】「団塊世代の老いの一つ」

初めは体がガラスでできていた 世界を言葉もなく 底のない瞳で受け入れて 反射した色々な顔を 自分として塗り重ねていった 一番はやっぱり親父だ 間抜け共を安楽椅子の脚にする そのしたり顔を真似た 親父を蔑む口も映ったけど 世間の質量は限りなく0に近い とはいえ風見鶏は動く 体が光沢を失った頃には 顔に微笑みの仮面が被さっていた  親父とズレて息苦しい 同調すればどれだけ楽か だけど歴史っていうのは 矛盾の積み重ねだろう? 理想と現実の摩擦が情熱を生むのだ   親父のようになりたい 親父のようになれない それでいい 快楽主義の行き着く先は 死んだままでいることだ 生きるなら 苦しんでなんぼだろう 「寝る間も惜しんで働け」 「環境を破壊しても働け」  そういう本音を濾過して 「発展が全てだ」 と嘯く微笑みの仮面を あらゆるガラスに押し付ける 自分自身に対してもそうだ 環境破壊、人格否定、犯罪、殺人 そして孤独 不自然を積み重ね 着飾ってゆく…… 老人の体は錆びている 誰の顔も映らず 自分自身のためだけの偶像に閉じ込められている 風見鶏は春風の方を向けなくなって 内壁で皆の口を塞いでいる読んでいただきありがとうございました。新陳代謝が正常に行われますように。
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【詩】【ショートショート】「人間鳥コンテスト」

入道雲に向かって 両翼をピンと伸ばした人力飛行機が飛んでゆく 「まだ、いける」 操縦士の耳には もう随分離れているのに いや、むしろ遠くに行くほど 仲間たちと他の出場者たちの声が届いている 「まだ、いける」 視界が汗に食い荒らされても 喉から笛音のような音が鳴って血の味がしても それでも操縦士は 「まだ、いける」 そう繰り返し 限界を超えた足を騙し続けるのだ これで何度目だろう また機体が海面すれすれで持ち上がる そう 「まだ、いける」 人間達が鳥人間コンテストで盛り上がっている頃、とある小さな島では、鳥達による「人間鳥コンテスト」が行われていた。人間鳥コンテストは鳥人間コンテストとは真逆だ。 鳥人間コンテストは人力飛行機に乗った人間によるレースゲームだが、人間鳥コンテストは、人間を模した駒を使うボードゲームだ。 「ボードゲーム」といっても、ボードではなく地球儀を使う。駒の底には磁石が仕込まれており、逆さまになっても地球儀に張り付くことができる。 また、駒はシャチハタになっており、参加者達は駒を移動させることで自分の駒のマークを地球儀に記すことができる。 人間鳥コンテストでは、このマークが最終的に最も多かった者が優勝できるのだ。 ここからはルールの説明に入るが、これが酷い。「ルール」と呼ぶにしては余りにも煩雑だ。 ルール①:1人が使える駒は1つまで ルール②:駒は80歩したところで使えなくなる(80歩を超えた参加者は、速やかに駒を回収して大人しく結果を待つように) ルール③:集計をする際に有効とされるマークは、明らかにそれと認められるものでなければならない(上から他のマークに塗
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【シュールな散文詩】「分厚いハンバーガー」など

「分厚いハンバーガー」 覚えたか?「鏡」透明感のある肌るあの感明透 長い睫毛睫い長 大きな目なき大 高い鼻い高  厚い唇い厚 鋭い顎い鋭 あれ?れあ 誰こいついこ誰 自分自身ですらすで身自分自 他人になってしまったっましてっなに人他 息で凍ったように白くなる 「羊か山羊か」『メェ~』って鳴くのは 羊か山羊のどっちかって? はっはっはっ そんなの決まっているでしょう 『メェ~』 なんて低俗な鳴き声は 山羊の連中が出すものです 羊の鳴き声はどうかって? はっはっはっ それはお聞きになっている通りですよ 我々はこうゆう流暢な鳴き声です 「仁義なき戦い」バランスボール協会の副会長が バランスボールで殺されたそう あなたの推理は当たっている バランスボール協会の副会長は ヨガマット協会のスパイだったのだ 「核兵器の存在理由」『無人島に1つだけ持って行けるものがあるとしたら、何を持って行く?』 という質問に 『ただし、無人島には同じ質問をされた人々が同時に上陸する』 このような条件を付け加える それだけで回答に 『護身用の武器』が増えるだろう 家族を連れて行くなら尚更だ 「真の友人と恋人」誰もが心に 真の友人と恋人を持っている それを自覚せず 真の友人や恋人に似ている人を 真の友人や恋人だと思い込み 真の友人や恋人と同じ振る舞いを求め 裏切られた気分になり 孤独を味わうのだ そうしている間に 真の友人と恋人が 浮気しているとも知らずに 「厄介者払い」海の中の支店? 店員も客も魚ばっかり? 私はそこに左遷されるんですか? ええ、不服ですとも 違います 溺れる心配はしていません 私にとって仕事
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【シュール散文詩】「退院」など

「退院」 『退院おめでとう』と 晴れやかな顔のお医者さん 『確かに退院だけど……』と 体を病室に置いて 空に上って行く少女 「ゴジラ」居酒屋のテレビで ゴジラの映画がやっている ビルを踏み潰し 口から火を吐くゴジラ 思わずカウンターで コップを拭いている 店主に視線を送る 『まだ若かったんで』 そう照れ臭そうに すっかり縮んだゴジラが笑う 「ヒーロー?」たまたまその場に居合わせた男性が 女湯で溺れていた女性の命を救った 「脱線」私は敷かれたレールの上を 終点に向かって ただ真っ直ぐに進んでいた だけどあの日 私はハイジャックされた 私は犯人を許さない 犯人は『2人の未来のためだから』と いう明らかな詐欺を真に受けた 犯人は 退屈に甘えていた私自身だ 「ビーチ」ビーチに横たわる美女 その小麦色の肌を キラキラと輝かせるのは クレヨンで描いたぐるぐるの太陽 ナンパするのはやめて 部屋に戻る ゆうたお前がパパの浮気を止めてくれたよ「1年のカウントダウン」……5、4、3、2、1…… ハッピーニューイヤー!!! 明けましておめでとうー!!! 今年もよろしくー!!! じゃあいくよー!!! 31535998、31535997、3153996…… 「きみ」そっと君の目の前に差し出し 祈りながら割る すると卵白に包まれた黄身が 床に落ちて潰れた 君はもう悲しんですらいない 透明な瞳に 無数のなりそこないを映すだけ 次こそは 産声が上がりますように 「葬式にて」足が痺れて 触っても感覚がない 一部だけだが 私も死体になったのだ お疲れ様でした そう思いながら ひっそりと撫で続ける 背後から 『くす
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【シュール散文詩】「その人にとっての玄関」など

「その人にとっての玄関」 屋上の端に置かれた 汚いスニーカー それを脱ぎ 身を投げた人は 向かいのアパートの 自分の部屋に飛び込んだ「絶望」 終わった 戦車に煽り運転されている 「きゅうりとちくわ」私たちの相性が良い そう言ってくれたのは嬉しかった でもきゅうりとちくわに例えないでほしかったな しかも親の前で「思春期の娘」 廊下から聞こえてくる お父さんの羽音 通り過ぎたと思った途端 ドアの隙間から差し込まれる お父さんの触角 そんな悪夢から目を覚ますと お父さんの複眼「死角」 やられた 死角に回り込まれた いつもそうだ やつの顔が見られるのは 映りのいい写真だけだ「歴史的対決」流石は藤井総太竜王開始1分も経たずに王手をかけた後は相手の投了を待つばかりしかし相手は50戦無敗の男フロイド・メイウェザー・ジュニア強烈な右フックからの左アッパーで藤井総太竜王をKOにしたかと思ったがフロイド・メイウェザー・ジュニアは知らなかった藤井総太竜王が消力(シャオリー)の使い手であることを「土下座」土下座のポーズのまま空中を漂っている宇宙飛行士「機械たちの常識」未来の空港では金属探知機の使い方が違う金属を見つけるためではなく人間を見つけるために使うなぜならいらないのは人間の方だから※ご覧いただきありがとうございました。よろしければ、「お気に入りに追加」していただけるとモチベーションが上がります。 またシナリオ形式であれば、作成やご相談まで、何でもご依頼を受け付けておりますので、機会があれば以下からよろしくお願いいたします。
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【シュール散文詩】「人間の怖さ」など

「人間の怖さ」 ハムふターはちよ 頬袋ひ詰められる側ぁになった気分はほうだ?「前回と同じ対応」うわ、停電かよ 経理のスーパーサイヤ人呼んで来ていなかったら懐中電灯ね「デート」血涙でできた湖に 白鳥ボートが一隻 俺の前では そんな笑顔見せないじゃないか 「狭い」(狭い)と思ったら ふきだしのせいで 益々狭くなった 「どうせ」どうせシャワーを浴びるんだから 傘はささない どうせ乾かすんだから シャワーは浴びない だから傘をさそう 「感謝」食材を火傷させるおかげで 人類は腹痛にならずに済む 「割物」空手家のバーテンダーが 焼酎の瓦割りを出してくれた「山頂」……やまびこでさえ無視か※ご覧いただきありがとうございました。 よろしければ、「お気に入りに追加」していただけるとモチベーションが上がります。 またシナリオ形式であれば、作成やご相談まで、何でもご依頼を受け付けておりますので、機会があれば以下からよろしくお願いいたします。
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【シュール散文詩】「大遅刻」など

「大遅刻」  人類が3万年をかけて  アフリカ大陸から世界中に広がるのを  私はずっとハチ公前で待っていた「忙しい人」私はとにかく忙しい スケジュール帳には秒単位で 大量の予定を書き込まないといけない 数にすると 一ヶ月につき30日×24時間×60分×60秒だから 実に259万2千個にもなる これだけの予定を書き込まないといけないから 私はとにかく忙しい「双眼鏡」双眼鏡を買ったので 遠くのアパートにピントを合わせてみた 全ての部屋の住人が 俺に双眼鏡を向けている 流行っているようだ「そうゆう種族」 羽を生やしただけで  全裸でも捕まらなくなった「は?うざっ」は?うざっ 彼氏が浮気したんだけど しかも相手は私のドッペルゲンガー は?うざっ じゃあ私でいいじゃん 相手に怒りたくても会えないし は?うざっ もういいわ 彼氏のドッペルゲンガーと付き合うから は?うざっ それじゃ元のまんまじゃん でも他の人は考えらんないんだけど は?うざっ 「手垢」あ、俺潔癖症だから 人が使ったノウハウとか使えないんだよね 「下請けの弱味」 扇風機が首を横に振っている  いいなあ 「靴の番い」 うちの右の靴と左の靴からは  右の靴ばかりが生まれる  もらい手もいない※ご覧いただきありがとうございました。 よろしければ、「お気に入りに追加」していただけるとモチベーションが上がります。 またシナリオ形式であれば何でもご依頼を受け付けておりますので、機会があれば以下からよろしくお願いいたします。
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サンプルテキスト「ホロビノホシ」

「君に出逢えて良かったと思う」ようやく君に言えた夕暮れ小さく応えた声は聞こえないけれどきっと君も同じ気持ちだと信じるよもうすぐ「別れ」が訪れるけれどせめて今はここでこうしていよう?寄せる波も返す波も何万年も前から変わらないのにどうして僕たちは瞬く間に変わっていくんだろうほら闇色の太陽が沈んでくいくつもの光が降り注ぐ空には見たことのない輝き深いふかい昏い色の空がそこに「人はどうして」でも後の言葉が出てこない何が訊きたいのかは互いに判りきっているでもその答えが二人とも判らないもうすぐ消えてしまう世界が哀れででも失った物の多さに涙も流せない寄せる波も返す波も命を失い虚しく泡を生むだけどうして人間は全てを壊してしまったんだろうほら墨色の太陽が沈んでいく世界が音もなく崩れ去るそして僕等は皆、魂の咎人ひとつの惑星(ほし)は今恒久の眠りへともしうまれかわることができたナラこんどコソぼくタチは=============================以前、自分が運営しているblogでこっそり書いた、SFショートショートに合わせて「終末」を迎えるワンシーンの散文。こちらは「人」が滅び去る直前ってシチュエーションで。
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【詩】表現

読んでいただきありがとうございました。あなたが不純な動機から解放されますように。
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【詩】鏡

読んでいただきありがとうございました。 あなたが好きなことに我を忘れて没頭できますように。
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サンプル 散文詩『今想う』

 私の手を引く祖母のしわしわの手 青い田んぼのあぜ道、幼稚園の帰り道 家の玄関を開けると漂ってくる甘い香りは 母が焼いてくれたクッキーのバニラの香り 今はもうないものお出かけの最後に帰るのが惜しくなったこと好きだった人、変わってしまった人初めて一緒に観に行った映画偶然入ったレストランの、メニューになかったミートソーススパゲティ今は苦手になってしまったもの 今はそう思うこと 今はそう思う私 変わってしまったもの、いつか変わってしまうもの
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