【シュール散文詩】「その人にとっての玄関」など

記事
小説
「その人にとっての玄関」

屋上の端に置かれた

汚いスニーカー

それを脱ぎ

身を投げた人は

向かいのアパートの

自分の部屋に飛び込んだ

「絶望」

終わった

戦車に煽り運転されている

「きゅうりとちくわ」

私たちの相性が良い

そう言ってくれたのは嬉しかった

でもきゅうりとちくわに例えないでほしかったな

しかも親の前で

「思春期の娘」

廊下から聞こえてくる

お父さんの羽音

通り過ぎたと思った途端

ドアの隙間から差し込まれる

お父さんの触角

そんな悪夢から目を覚ますと

お父さんの複眼

「死角」

やられた

死角に回り込まれた

いつもそうだ

やつの顔が見られるのは

映りのいい写真だけだ

「歴史的対決」

流石は藤井総太竜王

開始1分も経たずに王手をかけた

後は相手の投了を待つばかり

しかし相手は50戦無敗の男

フロイド・メイウェザー・ジュニア

強烈な右フックからの左アッパーで

藤井総太竜王をKOにした

かと思ったが

フロイド・メイウェザー・ジュニアは知らなかった

藤井総太竜王が

消力(シャオリー)の使い手であることを

「土下座」

土下座のポーズのまま

空中を漂っている宇宙飛行士

「機械たちの常識」

未来の空港では

金属探知機の使い方が違う

金属を見つけるためではなく

人間を見つけるために使う

なぜならいらないのは

人間の方だから

※ご覧いただきありがとうございました。
よろしければ、「お気に入りに追加」していただけるとモチベーションが上がります。
またシナリオ形式であれば、作成やご相談まで、何でもご依頼を受け付けておりますので、機会があれば以下からよろしくお願いいたします。













サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す