小説『量産型勇者オジサンの悪知恵』勇者任命即反逆
【字数:約一万五千】 ***1.旅立ちは爆発だ オレは何か知らん間にこの世界へ召喚された。召喚された場所はいかにもって感じの床へ魔法陣が書いてある地下室だった。その後、水浴びと着替えと食事を済ませられた後に、一週間ほど異世界被渡航者管理局と云う施設にて適正試験を受ける事になった。ここはゲームの世界なのか、それとも、ドッキリ系なのか。そんな疑問を持っていたのだが、適性試験を受けた際に、係員の人から魔法の使い方を教えてもらって、それで適当に使ってみたら、炎も、氷も、風も、雷も、パーティークラッカーも、こけし人形も、手の中から出す事が出来たので、本当の異世界らしいと思うしか無かった。 ちなみに、オレが魔法でこけし人形を召喚した時には、白いローブ姿の係員である若い女の人がめっちゃ驚いて、「すごい、貴方の勇者能力はチート級ですよ!!!」 と、ほめちぎってくれたのだが、普通、チートって、世界最強とか、そういう能力を指すのでは? こけし人形を出してチート認定を受けると経歴詐称で訴えられるのでは? だが、その係員さんの話によると、「だって、要するに、貴方はレベル1な訳でしょう。初期パラメーターですでに召喚魔法まで使えるなんて、もしレベルが上がったらどうなるのか考えるだけでもドキドキしますよ!!!」 と、云う事らしい。何だろう、この、幼児がクレヨンで落書きしたら親から天才だとほめられた程度のノリの軽さは……、と、オレはこけしの頭をなでつつ思ったものだ。 まあ、要するに、オレは特に訓練を受けなくても軽率に攻撃魔法や召喚魔法が使えるらしい。そして、異様にいろんなものを呼び出せる。ただし、元いた世
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