「欠陥住宅」はなぜ防げない?現場監督も見逃す“数ミリのシワ”の正体
最近、SNSを開けば新築住宅の「施工トラブル」や「瑕疵(かし)」の投稿が目に飛び込んできます。「高性能な大手メーカーで建てたから安心」――そう思っていたはずの家が、なぜ数年で雨漏りやカビに悩まされるのか。一級建築士としての知見と、現場のリアルな声から見えてきた、カタログスペックには載らない「家づくりの闇」についてお話しします。1. 「工場100点、現場50点」の構造的な歪み現代の家づくりは、パーツの大部分を工場で作る「プレハブ工法」が主流です。工場の精度は完璧でも、それを繋ぎ合わせる現場が50点なら、その家は50点の性能しか発揮できません。かつては「棟梁(とうりょう)」が現場のすべてに目を光らせていました。しかし今は、一人の現場監督が数棟を同時に掛け持ちする時代です。「現場を粉(こな)を引くように」飛び回る監督には、細部のプロセスまで確認する余裕がありません。その結果、職人の「やりやすさ」や「慣れ」が優先され、目に見えない綻びが生まれてしまうのです。2. 「高気密」が仇となる瞬間今の家は、昔の家のように「呼吸」をしていません。高気密・高断熱という「高性能」は、一箇所のミスも許されない「ゴアテックスのレインウェア」のようなものです。特に注意すべきは、外壁の内側にある「透湿防水シート」です。防水テープのわずかな「シワ」サッシ周りの数ミリの「隙間」外壁を打つ際、打ち損じの小さな「釘穴」こうした、プロでも見逃しそうな小さな穴から水が侵入します。一度入った水は、密閉された壁の中で逃げ場を失い、断熱材に湿気を溜め込み、家の背骨である構造体をじわじわと腐らせていきます。3. 「軒(のき)ゼロ
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