企画書をいくら頑張っても、それだけでは出版は決まりません/自称「出版を知っている人」の言葉には注意
その言葉を信じた瞬間、あなたの本は消える
「刺さる企画書さえあれば、商業出版はできる」
そんな言葉を見かけるたびに、
胸の奥がざわついていませんか。
一生懸命、企画書を磨いている。
タイトルも練り、構成も整え、差別化も考えた。
それなのに、
「これで通りますよ」と軽やかに言われると、
希望と同時に、どこか不安も残る。
今日は、その不安は正しい、という話をします。
私が企画会議で見てきた現実
私は30年以上、大手出版社に在籍して編集者、編集長として仕事をしてきました。
実際に企画会議に出席し、何百という企画の「生」と「死」を見てきました。
はっきり言います。
「企画書が刺さる」だけで出版が決まる世界ではありません。
もちろん、企画書は重要です。
しかし、それは「必要条件」であって「十分条件」ではない。
企画会議では、こんなことが議論されます。
このテーマで初版は何部見込めるか
既刊とのカニバリはないか
書店営業が押せる材料はあるか
著者に継続的な発信力はあるか
予算ラインを超えたとき、回収可能か
そして、最終的には「数字」です。
400万円という現実
紙の本を全国流通させる場合、
制作・印刷・営業・物流などを含めると、出版社側の初期負担は400万円を下りません。
さらに今は、返品率が7割、8割という本も珍しくない。
そうなるとどうなるか。
初期投資 400万円
返品に伴う物流費
返品在庫の倉庫費
収支は真っ赤です。
それでも出版社が本を出す理由は何か。
「儲かるから」ではありません。
対前年比の売上を維持するため、出さざるを得ない。
それが現実です。
この構造を知らずに
「刺さる
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